伝説の男に会った。正確にはオンラインですけど。ザ・ビートルズを世界一のアイドル・バンドにしたブライアン・エプスタイン、レッド・ツェッペリンのマネジャーとして「お前らプロモーターの取り分は1割だ、俺たちが9割いただく」と後のロック・バンドが神のように君臨できる音楽ビジネスを作ったピーター・グラント、そしてパンクという音楽でロックの歴史を変え、若者の価値観まで変えたセックス・ピストルズのマネジャー、マルコム・マクラーレンと並ぶ、伝説のマネジャー/レーベル・オーナー、アラン・マッギーに。
そんな彼の波乱万丈の人生を描いた映画『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』が、エプスタインやグラント、マクラーレンを差し置いて完成した。
アランもリスペクトする<ファクトリー・レコード>のオーナー、トニー・ウィルソンの映画『24アワー・パーティー・ピープル』(2022年)に匹敵するくらい、『クリエイション・ストーリーズ』は面白い。やっぱりそれは脚本が、あの『トレインスポッティング』(1996年)の原作を書いたアーヴィン・ウェルシュだからかもしれないし、ロンドンでパブの2階を借りてコンサートを仕切り、ファンジンを作り、その儲かったお金でレーベルを作り、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインやオアシス、プライマル・スクリームなどイギリスを代表するバンドのレコードをリリースしてきたアランの人生が面白すぎるからなのかもしれない。そんなアランに映画の内幕を訊いた。
「ドント・ビリーヴ・ザ・ハイプだよ」
―アラン、現在は何をされているのですか?
バンドのマネージメントだね。ハッピー・マンデーズ、オーシャン・カラー・シーン、キャスト、セックス・ピストルズのポール・クックのバンド、ザ・プロフェッショナルズのマネージャーなどをやっているよ。
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―おー! ついにアランもピストルズと関わりだしているのですね。『クリエイション・ストーリーズ』と今、一番比較される作品はドラマ『セックス・ピストルズ』(2022年)だと思うのですが、観ましたか?
試写会にプロデューサーと一緒に観に行っただけだから、まだ1話と2話しか観てないんだ。
―あまり面白くなかった?
そんなことないよ。ハッピー・マンデーズのショーン・ライダーは全部観て、ファッキン・アメイジング(スゴい)って言ってたよ。