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『舞いあがれ!』子役・浅田芭路の細やかな心情表現に脱帽 大らかな愛で家族は強くなる

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『舞いあがれ!』写真提供=NHK

 朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)のヒロイン・舞(浅田芭路)は、心の繊細な少女だ。相手が今どう思っているのかを察知する、そんな心が優しすぎるがあまりに自分の意見や思いを口に出すことが出せなかったりもする。

参考:『舞いあがれ!』永作博美、“母”としての決意を語る 「励まされる朝に、絶対にします!」

 第1週「お母ちゃんとわたし」で印象的に響いてくるのが、舞の「やっぱ、やめといた方がええかな?」というセリフだ。母・めぐみ(永作博美)は熱を出してしまう娘を思い、生活環境を変えるために舞を連れて東大阪から故郷である長崎・五島へと移住する。フェリーでの長旅が終わり、冷たい海風に晒される舞に上着を着させるめぐみ。新しい学校で校外学習として磯に行くことが決まった時も、その磯で舞が転んで膝を擦りむいた時も、露呈していたのは舞の気持ちを無視して過剰に心配してしまうめぐみの姿だった。

 そんな2人の様子を見ていた祖母・祥子(高畑淳子)は、舞を五島に置いて東大阪に帰ることをめぐみに勧める。舞はめぐみに遠慮をし、自分の気持ちを押し殺すことで、熱が出ているのではないかというのだ。それは、めぐみの口から五島の言葉「およ」が出始めた矢先のこと。母の提案を受け入れられずにいためぐみだったが、1人になることでそれはゆっくりと納得できることでもあった。

 めぐみは、舞や悠人(海老塚幸穏)への愛に溢れた母親だ。だが、舞に似て心配性過ぎるが故に、頑張りすぎてしまう一面が、舞の中にストレスとして潜在的に蓄積してしまっていた。ただ、舞はめぐみのことが大好きで、当然めぐみも舞のことが大好き。そのことは五島を離れる前夜、布団に潜り込んでくる舞の手をギュッと握るめぐみ、翌朝おでこで舞の体温を計るめぐみ、フェリーを前にして別れを惜しむように繋いだ手をゆっくりと解く舞とめぐみーーそんな愛しさが溢れる2人の姿からも十二分に伝わってくる。それでもこれからの未来のために、親子は一旦距離を取ることを選んだのだ。

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 そして、この第1週、さらには『舞いあがれ!』を象徴するシーンとも取れるのが、めぐみを見送った舞が途端に涙を流しながら「私と一緒にいてたら、お母ちゃんしんどそうやから。お母ちゃん、私にここ残ってほしいて思てる。そやから帰られへん」と初めて自分の気持ちを口にする場面だ。そこには舞の細やかな優しさと少しづつ芽生え始めた強い心、そんな孫の勇気を肯定する祥子の大らかな愛が示されている。また、この繊細で難しい心情の機微を表現してしまう舞の子供時代を演じる浅田芭路の演技力の高さにも脱帽だ。

 「少しづつでよか」と祥子に背中をさすられた舞は、母とは違う帰路を初めて進む。その先で目にしたのは、五島名物の「ばらもん凧」。凧は、向かい風を受けないと空に上がることはできない。五島の青い空を見上げた少女・舞は、やがて空高く飛べる日を夢見るようになる。(渡辺彰浩)

 
   

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