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“特殊効果の神” フィル・ティペットのストップモーションアニメ「マッドゴッド」

キネマ旬報WEB

“特殊効果の神” フィル・ティペットが生み出した執念と狂気のストップモーションアニメ「マッドゴッド」が、12月2日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほかで全国順次公開。ポスタービジュアル、日本版予告、場面写真が解禁された。

 

 

「スター・ウォーズ」「ロボコップ」「スターシップ・トゥルーパーズ」シリーズなど数々のヒット作を手掛け、アカデミー賞を2度受賞、その後のSF作品に計り知れない影響を与えた巨匠フィル・ティペット。「人生にはフィル・ティペットが必要だ」(スティーヴン・スピルバーグ)、「巨匠であり、師であり、神だ」(ギレルモ・デル・トロ)、「彼以上のマスターはいない」(ポール・ヴァーホーヴェン)と、ハリウッドの大物監督たちも敬愛を表明している。

今から約30年前、ティペットは「ロボコップ2」(90)の撮影後に本作「マッドゴッド」のアイデアを閃き、地道に製作を続けていた。だが、「ジュラシック・パーク」(93)で映像表現は転換期を迎え、手作りの視覚効果から本格CGの時代に突入、ティペットは「俺の仕事は絶滅した」とプロジェクトを中断した──。

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それから20年後。ティペット・スタジオの若きクリエイターたちが倉庫を掃除しているときに奇跡的に当時のセットを発見し、彼らの熱望により企画が再始動。フィルは新世代のアーティストや職人に教え、愛情込めた作品を甦らせたのだった。さらに、クラウドファンディングで世界中のファンの支援も獲得。2021年シッチェス映画祭で上映され、「世紀の傑作」(IndieWire)、「こんな映画はかつてなかった」(Los Angeles Times)、「映画美術界へのねじ曲がった賛辞」(Film Threat)、「まさしく愛の結晶」(AIPT)と称賛された。

 

     

 

「天国よりも地獄に惹かれる」と語るティペットの潜在意識から溢れ出したのは、誰も見たことのない暗黒世界。孤高のアサシンが荒廃した地底に潜り、拷問された魂、老朽化した地下壕、蠢くクリーチャーたちの間を巡っていく。なお、「レポマン」「シド・アンド・ナンシー」のアレックス・コックス監督が、人類最後の男〈ラストマン〉役で登場するのも見どころだ(上の場面写真の2枚目)。

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