ケルト人とは、紀元前3世紀頃に現在のイギリスからルーマニアまでの地域に暮らした民族です。ケルト神話は、このエリアの中でもアイルランドを中心に伝わる神話をいいます。
もともとは口承で伝えられ、10世紀以降にキリスト教修道士によって書き記されました。来寇(らいこう)神話群、アルスター物語群、フィン物語群、歴史物語群の4つに大別されています。
中心的な存在はダーナ神族と呼ばれる神々です。黒い雲とともにアイルランド北西部に上陸し、魔力、知力、技術力で支配しました。
この地に到着する前には、4つの秘宝(リア・ファル、ブリューナク、クラウ・ソラス、ダグザの大釜)を手に入れています。
その頃、アイルランドはフィル・ボルグ族が支配していましたが、ダーナ神族は、フィル・ボルグ族に迫害されていたフォモール族と組んでフィル・ボルグ族を倒します。
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アイルランドを支配したダーナ神族でしたが、後からやってきた人間のミレー族(ケルト人の祖先)に敗れ、辺境の地へ送られます。
そして、ここで妖精となり、地上に現れては奇々怪々なエピソードを展開していきます。
ダーナ神族は実在したともいわれ、アイルランドに残る巨石遺跡はダーナ神族によってつくられたものが多いと考えられています。
*ケルト:かつてローマ人は、ケルト人が住むエリアをガリアと呼んだ。詩人ルカヌスの『内乱記』にはガリアの神による悽惨(せいさん)な物語が残されている。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』
著者:鈴木悠介 日本文芸社刊