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「ちゃんと通報したの?」の声も…事故を目撃、“通報せず”動画撮影→SNS投稿、罪に問える? 弁護士に聞いた

オトナンサー

また、目撃者が通報しなかったとしても、それだけで民事上、不法行為が成立するとは考えられず、損害賠償責任も負わないでしょう」

Q.速やかに通報・救急搬送されていれば、命が助かる可能性が高かったにもかかわらず、目撃者が通報しなかった、あるいは目撃者の通報が遅れたことにより、事故に遭った人が亡くなった場合であっても、その遺族は目撃者に何らかの法的措置を取ることはできないのですか。

佐藤さん「これについてもやはり、単なる目撃者には法的な通報義務がないため、目撃者に対して法的措置を取ることはできないでしょう。

交通事故が起きた場合、加害者が刑事責任や民事責任などの法的責任を負うことになります。被害者死亡のケースでは、慰謝料として2000万円から3000万円弱の金額が認められることが多く、その他、事故が起こらなければ得られていたはずの収入(亡くなったことで抑えられた生活費を除いたもの)や葬儀関係費用などを、加害者に対して請求することになります」

Q.事故の目撃者が通報をせずに、現場の様子を撮影していた場合ではどうでしょうか。

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佐藤さん「この場合であっても、目撃者に対して、通報しなかったことに対する責任を追及することはできません。しかし、無断で撮影したことについて、被害者や加害者、その他の関係者が写り込んでいた場合には、肖像権を侵害されたとして責任を追及する可能性は残されているでしょう。

私たちは皆、『承諾なしに、みだりに自己の容貌などを撮影されない自由』、そして、『自己の容貌を撮影された写真や動画を公表されない自由』(いわゆる肖像権)を持っています。裁判上、肖像権の侵害に当たるか否かは、撮影された人の社会的地位、撮影場所、撮影の目的、撮影の様子、撮影の必要性などを総合考慮して判断されるため、侵害と認められるかどうかはケース・バイ・ケースです。

事故の発生や現場の状況を多くの人に知らせるという公的な目的で、人物の判別が困難な態様により撮影したケースなど、肖像権の侵害に至らないことも少なくないとは思いますが、事故現場を興味本位で撮影したり、SNSにアップしたりする行為は不謹慎と受け止められることもあるので慎むべきです」

Q.近年は、第三者が事故現場を撮影・投稿する行為が問題となるケースが多くみられます。もし、偶然にも事故現場を目撃したとき、目撃者に求められる行動とは。

佐藤さん「単なる目撃者には法的な通報義務はありませんが、目撃者の証言によって真実が明らかになり、公平な解決につながるケースや人命救助につながるケースもあるので、事故を目撃した場合にはできる限り通報したり、捜査に協力したりすることが大切だと思います。

また、事故現場の撮影は、当事者が証拠を残すために行うなど適切なものもありますが、第三者が自己のSNSのアクセス数を上げるために、被害者や加害者の顔がよく分かるように撮影したものなど、不適切なものも見受けられます。後者は先述のように、肖像権の侵害にもなり得る行為ですので慎むべきでしょう」

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