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「ワクチンの中身捨てなきゃな」とスタッフに…反ワク院長の“生理食塩水”注入疑惑の危険な実態

女性自身

 

「昨年の夏ごろから、千葉、大阪、広島など全国からワクチンを接種しに来る人が急増。家族の分の接種券を持ってくる人もいました。船木容疑者のいる診察室に行き、1回目と2回目の接種証明シールを受け取って帰っていたそうです」

 

全国の“顧客”にニセの接種証明書を作成していた疑いがある船木容疑者だが、さらに驚愕の“余罪”があるという。

 

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「昨年、秋ごろに北区で訪問医療を行うある医師が、王子北口内科クリニックでワクチンを接種した多くの患者から『打ったけど熱などの副反応が全く出ない。本当にワクチンを打たれているのか?』と質問を受け、クリニックのスタッフにそのことを報告したのです。

 

スタッフが船木容疑者に確認すると、『そりゃそうだ、中身は生理食塩水だからな』と返答したといいます。

 

そして金庫から、本物のワクチンが入った瓶を取り出して『この中身、捨てなきゃな……面倒くさい』と悪びれる様子もなく話していたそうです」(前出・内部告発者)

 

なんと船木容疑者は「カラ打ち」していた疑惑があるというのだ。

 

そこで、本誌は王子北口内科クリニックで実際にワクチンを接種した6人に話を聞いた。40代女性のAさんはワクチン接種時に感じた違和感をこう振り返る。

 

 

■「打ったことにしてあげることもできる」

 

「通常、接種後は経過観察のため15分ほど待機時間が設けられるはずですが、接種が終わると、船木容疑者からすぐに『もう帰っていいよ』と言われました」

 

70代女性のBさんは、接種時に船木容疑者から受けた“ありえない提案”についてこう明かす。

 

「ワクチンを打ちにクリニックに行くと、診察室で船木容疑者から、『打ったことにしてあげることもできるんだよ』と提案をされたんです。生理食塩水を打たれていたなんて怖くてたまりません」

 

残る4人も、接種後の待機時間を設けられなかったと、口をそろえて証言した。

 

そして、“偽装接種”の疑惑を知った6人は、接種後に体内で生成される中和抗体(IgG抗体)の値を検査することに。すると、ここでも衝撃の結果がーー。

 

差異を避けるため、6人ともに同じ検査会社で検査を行った。検査結果は数値で表され、IgG抗体価が30以下であれば、ワクチン接種(2回接種後)による中和抗体が生じていないことを示すとされている。

 

昨年8月上旬に2回目接種を完了した本誌記者が昨年12月末に抗体検査を受けたところ、172.33という結果だった。

 

しかし、王子北口内科クリニックで昨年8月に2回目のワクチン接種をした6人が今年1月に検査をした結果は……。

 

 

■6人全員“ほぼゼロ”抗体検査の驚愕結果

 

なんと6人全員0.01という数値が出たのだ。なお、6人の年齢構成は40代女性が2人、50代男性が2人、60代と70代の女性がそれぞれ1人ずつ。

 

この数値について、アメリカの研究者で中和抗体検査を開発、販売をしているQMD合同会社代表、若林良之氏はこう指摘する。

 

「同じ医院にて接種を受けたさまざまな年代の6人全員に中和抗体がほぼ産生されないということは、これまでの多くの医療機関からの報告から統計上ほぼありえないです。抗体価はワクチン2回接種後、時間とともに下がりますが、接種後8カ月でも抗体価がゼロとなる人は後期高齢者を除いて非常にまれであり、未接種であったと考えることが妥当な抗体価です」

 

反ワクチン派へのサポートに加えて、ワクチン接種を希望する人に生理食塩水を注射する“カラ打ち”を行っていた疑いがある船木容疑者。

 

本誌は抗体検査の結果といった“証拠”をもとに今年1月に船木容疑者宛に「証明書偽装」と「カラ打ち」について質問状を送付。すると、驚くべき回答が。

 

「記載された内容は、一切事実ではないことを申し上げます。前提として、国からもご指導をいただいているように、ワクチンは希望者が接種を受けるべきものであり、実際の接種にあたる医師がそれを止める理由はまったくありません。

 

実際には接種をおこなっていなかったと主張する人の抗体値に関しても測定次期などが不明確であり、その抗体検査を行なった人が桐蔭での接種を受けたかどうかも確認できないことから、コメントいたしかねます」

 

4月には役所も調査に乗り出していた。

 

「接種後も抗体が得られないという複数の訴えをもとに、北区のワクチン接種担当課は4月下旬に区長名で、王子北口内科クリニックのワクチン接種者に抗体検査の受検を案内する書面を送付しています。船木容疑者にも事実を確認したそうですが、『正しく接種している』と返答があったといいます」(前出・医療ジャーナリスト)

 

これを受け、本誌は5月にもう一度追及するも、前回同様に全否定するのみだった。

 

本誌の直撃には、シラを切り続けた船木容疑者だったが、逮捕後、警察の取り調べに対して「接種希望者に生理食塩水を打った」と供述しているという。

 

北区のワクチン接種担当課に今回の逮捕について聞くと、担当者は「事実であれば、医者の立場を利用した許せない行為。区内の医療機関でこうしたことがあったのは大変遺憾に思う」とコメント。

 

現在、「カラ打ち」の被害者の会が設立され、今後、刑事事件として王子北口内科クリニックを告訴する方針だという。被害者の会の一人は「このまま泣き寝入りをする気はありません」と憤りを隠さない。

 

今回の逮捕を受け、クリニックへ「カラ打ち」について改めて問い合わせたが、期日までに返答はなかった。

 

ニセ証明書発行だけでなく、“ワクチンでコロナを防ぎたい”という切なる願いをも裏切った船木容疑者。その罪はあまりにも重い。

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