top_line

あなたの語彙力が試される!
無料ゲーム「ワードパズル」で遊ぼう

『監察医 朝顔』が帰ってくる 上野樹里が「まだまだ、朝顔を演じたい」と語る理由

Real Sound

――プライベートに近い感覚に浸れたと。

上野:本当に一瞬だったんですけどね。でも、その伝統的なお祭りをワンシーンでも映すことで、「私も行ってみたいな」と思ってくれる人が増えるといいなって思います。

■「吐き出すことが大事」

――朝顔を演じるたびに、気づきのようなものはありますか?

上野:なんだろう……でも、吐き出すことが大事かな。日々忙しくてインプットばかりで、外でいろんな刺激を受けて、あれこれ頭で考えて。でも、自分の心と向き合う時間はあまりなくて、自分が今どれくらい踏ん張っているのか意外と自分はわかっていないのかもしれない。「頑張らなきゃ」と思わなくてもみんな頑張りすぎてるというか……。でも、吐き出せるときに吐き出して、自分の弱い部分や頑張っている部分も全部認めて、受け入れて、前に進んでいけるといいんじゃないかなとは思います。

広告の後にも続きます

――意識するわけではなく、演じることでそういう気持ちになるんですね。

上野:全然意識していないですね。脚本も演出も、朝顔の心情を丁寧に切り取ってくださるので、私は特に意識していないです。このチームだからこそだと思うので、みんなで作る楽しさはすごく感じます。

――その思いは、より増していますか?

上野:今回のスペシャルにおいては、2週間弱くらいの撮影期間だったので、あっという間。2時間の作品を撮るんですけど、連ドラの2回分と、スペシャルの2時間の濃さって全然違うんですよ。連ドラの1話は、「次どうなるんだろう」という部分を後から回収できるので、演じている側もはっきりと「こうだ」という答えを作らずに演じられるようなゆとりがあるんですけど、スペシャルドラマでそれは駄目なので(笑)。スペシャルドラマでは、一つひとつしっかりとステップを踏んでいかないと、きちんと話が見せられなくなってしまうんです。そのために、前もって細かく細かく監督と話して、収録と収録の隙間時間ですり合わせをして、そのシーンを撮影する時に現場で「これもっとこうした方がいいんじゃないですか、ああしたほうがいいんじゃないですか」と、改めてチームで話し合いながら作っていく。それは、このチームワークだからこそできたことだと思っています。

■「私はまだまだ、朝顔を演じたい」

――第2シーズンからスペシャルドラマへと続く『朝顔』は、上野さんにとって“代表作”といえる作品になるかと思います。

上野:役者としては、すごくありがたいです。そのドラマの世界観を愛してくれて、「また会いたい」と思ってもらえるのは、本当に嬉しいことです。それは『のだめ』(『のだめカンタービレ』/2006年)や『ラスト・フレンズ』(2008年)もそうですけど、そのときの自分が演じたからこそ、当時の視聴者にきっと響いたんだと思っていて……当時の役は、今はできないですし(笑)。今回のスペシャルドラマでも、またこうしてキャストやスタッフが集結できたことは奇跡だと思っていますし、またみなさんにお会いできるといいなと思います。私はまだまだ、朝顔を演じたいと思っているので。

――以前のインタビューでも、「朝顔としてできることは全部やりたい」と仰っていました。今回は、どんなメッセージを伝えていきたいですか?

上野:朝顔はいつもまっすぐで、弱みもすべてカメラが捉えていくので、観ている人が自然体で朝顔を追っていけるのが良いところだと思っていて、それは今回も変わらないです。今回のスペシャルの見どころは、育児に追われる母でありながら、介護に追われる娘でもある、というところです。子どもが2人に増えて、お父さんもいろいろとお世話が必要になってきたときに、夫婦でどう切り抜けていくのか。自分自身そういう経験はないですけど、2人目の子が生まれたということで、少し服装も肩の力が抜けたママファッションになっています。それから朝顔といえばあのボブヘアで、ちょっとかわいらしさもあったんですけど、今回は髪が長いんです。それは、「あのときの髪型にしなきゃ」ということはせずに、ありのままの自分で朝顔を演じることにしたからではあるんですけど、“髪が長い=ヘアアレンジをしたり、自分に構ってる人”という印象があって、最初はちょっと違うんじゃないかなとも思いました。でも見方を変えれば、もう伸びたら伸ばしっぱなし、染めたら染めっぱなし、まとめちゃえばいいじゃんっていう。色も暗めにして、自分が美容室に行く時間もないんだ、という感じを作りました。第2シーズンでは、一人前の法医学者になった“ヒーロー感”のある朝顔の完成形だったんですけど、今回はそういった大変さも含めたリアリティを出してみました。少し重い印象があるかもしれないけど、朝顔自身もそういう心情なんですよね。お父さんも元気で、つぐみもいて、次女を妊娠した、あのいちばん楽しかったときの感覚を引きずっているというか。頭ではいろいろわかっているし、受け入れてはいるけれど、どこか悲しみみたいなものが拭い切れていなくて。それが2時間の中で徐々にわかってきますし、最後はどうなっていくのかを見届けていただけたらと思います。

(取材・文=nakamura omame)

  • 1
  • 2
 
   

ランキング

ジャンル