義時は、重忠の思いをしかと受け止めた。重忠の首桶を抱え、時政の前へ出た義時は、重忠の首から目を背ける時政に声を荒らげる。時政を政から退かせるため動き出した義時に、政子は「小四郎、恐ろしい人になりましたね」と声をかけるが、義時の礎が頼朝(大泉洋)であることに変わりはない。鎌倉のために鬼になる覚悟を、義時はとうに決めている。「小四郎、わしをはめたな」と詰め寄る時政に、義時は微塵も態度を崩さない。その一貫した姿勢は、時政を高笑いさせ、「見事じゃ!」と言わしめるほどのものだった。
第36回は御家人たちからの信頼が揺らぎ、追い詰められた時政が怒りをあらわにする姿で幕を閉じた。北条親子の確執と政に関わることになった政子の今後がどう描かれるのか気になるところだ。(片山香帆)