さらに事件の一因として指摘されているのが、川崎幼稚園の送迎バスに施された装飾。事件が起きた送迎バスは車体だけでなく窓までイラストでラッピングされており、外からは車内の様子がわかりづらい構造になっている。これについては、「窓から中が見えたら子どもが取り残されていることに気づけたかもしれないのに」との指摘もあった。
「幼稚園は地域の人に見守ってもらっているので、このように中が見えないバスは好ましくありません。異変があったときに気づいてもらうこともできますし、子どもたちと先生がバスから外の景色を眺めて『消防車だ!』とか『今日は晴れてるから外でたくさん遊べそうだね』と話すなど、乗車中にもコミュニケーションをとることができるというメリットもあります」
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杜撰な管理が招いた今回の痛ましい事件。それでも会見では理事長が亡くなった女児の名前を何度も間違えたり、薄ら笑いを浮かべながら話したりと、まるで他人事のような態度で誠実さが感じられるものではなかった。Aさんはこのことにも憤りを見せる。
「責任を持って子どもを預かるはずの幼稚園なのに、大切な園児が亡くなっているなかこのような態度は人としてどうかと思います。遺族に対してだけでなく、この幼稚園に通っているほかの保護者たちに対しても誠意が伝わらず、不信感を抱かせることになったと思います」
事の重大さを理解しているとは思えない川崎幼稚園の態度。子どもの命を預かる立場として、今一度自らの行いを見つめ直してほしい。