ここで再びMCとなり、トークを振られた富田鈴花は「みなさん、熱くなってきましたか?」と、会場の暑さや観客の熱気について言及。期生別楽曲に驚くファンの反応にも触れていた。シングル7作中、5作でセンターを務める小坂が不在だったなか、その穴を感じさせないセットリストには、日向坂46がグループとして積み上げてきた実績の厚みが表れていたのではないだろうか。
さらには3月に行われた東京ドーム公演のDVD・ブルーレイの発売、9月から11月に兵庫・愛知・神奈川・東京で開催されるツアーを告知してうえで、「踊る準備はできてますかー? まだまだ楽しんでいきましょう!」と久美が元気いっぱいに呼びかけ。加藤史帆がセンターを務める「君しか勝たん」でラストスパートを駆ける。
相手を愛しく思う気持ちを描いた歌詞に合わせたメンバーの表現力と、サビで指をクロスさせるダンスが目を惹く楽曲。サビのクラップでは会場全体が一つとなり、ラストの盛り上がりへと助走をつける。
そして最後は齊藤京子がセンターを務め、ライブでも最大級の盛り上がりを見せる人気曲の「No WAR in the future 2020」でフィニッシュ。
横や斜めにメンバーが整列する複雑なフォーメーションをまるで簡単そうに見せつつ完璧にこなし、絶対的なチームワークを見せつけた。メンバーの弾ける笑顔や全力ダンスに、観客のほうも応援にさらなる熱が入る。メンバーの動きを振りコピし、会場の熱気は単独ライブと同様の最高潮に。トップアイドルの実力が会場全体に伝わった場面だったのではないだろうか。
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楽曲披露後には久美が「最強に熱い思い出が作れました! みなさん、日向坂46のライブにも遊びに来てくださったら嬉しいです。今日は本当にありがとうございました!」と感謝の気持ちを伝え、お馴染みの挨拶でステージを終えた。
最後まで笑顔でファンサービスしつつ、順番にステージ袖へとハケていくメンバーたち。最後になった髙橋未来虹が客席に向けて深々と頭を下げる姿には、ファンも心を打たれていたことだろう。
日向坂メンバーたちの全力でハッピーオーラあふれるステージは、すべての観客の心を揺り動かしたに違いない。世界最大のアイドルフェスで大トリを飾るににふさわしい、その場にいるすべての人を笑顔にするステージは、アイドルファンにとって最高に熱い夏の思い出になったことだろう。
(取材:長谷部乃杏、撮影:Issey Nakanishi)