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綾野剛『オールドルーキー』順調すぎて逆に不穏…『エヴァ:Q』的な波乱展開か

SmartFLASH

■ 反町隆史演じる社長・高柳のキャラが激変

 

「ビクトリー」は、「すべてのアスリートにリスペクトを」という企業理念を掲げているものの、創業者である高柳は、利益追求型の合理主義者で、アスリートへの敬意が希薄そうな描写もたびたびある人物。

 

 実際、第1話で新町に手を差し伸べたのも、新町のコネクションでとある巨額の契約を取り、用済みになったら使い捨てる算段だったのである。

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 だが、第4話で高柳が劇的にキャラ変して以降、新町との関係性に大きな変化が現れた。

 

 冷徹な一面を持つボスとして描かれていた高柳だが、第4話で新町の妻である元人気女子アナ・果奈子の大ファンだったことが発覚。

 

 果奈子のことになると態度が180度変わり、デレデレしてしまうというかわいらしいギャップを、「ビクトリー」社員や視聴者たちに見せつけたのだ。

 

 第4話では、果奈子の発案で新町の引退試合がおこなわれるのだが、高柳はその試合を開催するために助力しただけでなく、その試合に自らも出場して新町との交流を深めた。

 

 続く第5話は、まだ無名ながら華のある将来有望な女子フェンシング選手のマネージメントを、新町らが担うというストーリー。新町たちは高柳の指示を無視して独断で契約を取るが、結果的に大成功を収めるのだ。

 

 命令に背いた新町らにお灸を据えるものの、最終的には高柳が情に流される描写があり、ラストで契約社員のままだった新町を正社員にするのだ。

 

 第3話までにも新町の仕事ぶりを評価するシーンはあったが、第4話と第5話でグッと関係性が深まり、高柳が新町に信頼を置くようになったのである。

 

■『ヱヴァンゲリヲン』の “悪夢” が脳裏をよぎる

 

 この作品には、今のところ明確な敵対勢力やライバルキャラが登場していないため、新町にとって最大の懸案は高柳に認めてもらえるかどうかであり、そこが視聴者的にハラハラしながら見守るポイントでもあった。

 

 だが、ドラマの折り返し地点である第5話でその懸念はほぼ解消され、正社員になるという目標も達成してしまった。

 

 第5話の終盤は感動シーンが多く、カタルシスも得られたため非常に面白かったが、一方で順調すぎやしないか……という不安がよぎるのだ。

 

 日曜劇場で2シリーズ放送されたTBS系の大看板ドラマ『半沢直樹』も、折り返し地点の第4話や第5話で第一部完結となり、いったんは大団円となっていたので、『オールドルーキー』もそういった手法を踏襲しているのだろう。

 

 しかし、新町視点で考えると、第5話で達成感は得られたが、越えるべきハードル(難関)がなくなってしまい、ハラハラ感も消え去ってしまった状態。

 

 これは第6話以降に大波乱が起こるフラグに思えてならない。

 

 ジャンルは異なるが、かつて同じような不安感を覚えたことがある。それは、全4部作で描かれた『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの、第2部『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(2009年)を観終わったときだった。

 

 内向的な性格で、いつもウジウジしている主人公の少年・シンジが、想いを寄せる少女・レイを救出するために奮い立つという、とてもヒロイックな姿が描かれた。

 

 シンジがまるで少年漫画の王道主人公のような振る舞いをしており、いつもネガティブ思考だった少年の急激な成長に感嘆した視聴者は多かったことだろう。

 

 けれど、そういった描写がフィナーレとなる第4部で描かれるのであれば安心して観られただろうが、なんせまだ折り返し地点の第2部だ。

 

 もうそれ以上の伸びしろがないと思えるほど主人公をかっこよく描いてしまい、エンタメ作品的には最大の “盛り上げカード” を使ってしまった状態。そう、主人公の成長が順調すぎて不穏な気配があったのだ。

 

 案の定、第3部『ヱヴァンゲリオン新劇場版:Q』(2012年)でシンジは、過酷で無慈悲な現実を突きつけられ、どん底に叩き落とされた。

 

 そういう意味で、『オールドルーキー』の主人公・新町の現況も順調すぎるのである。今夜放送の第6話以降で、新町はこれまで築き上げてきたものが一気に崩されるレベルの窮地に陥るなんてことも……。そう考えると、ハラハラが止まらないのだ。

 

●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

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