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『NICE FLIGHT!』夢を諦め管制官になったかすみの葛藤 気になる粋と真夢の恋模様も

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『NICE FLIGHT!』(c)テレビ朝日

 子どもの頃に抱いた夢を、叶えられる人はどれくらいいるのだろう。『NICE FLIGHT!』(テレビ朝日系)の主人公・倉田粋(玉森裕太)のように、憧れの職業に就ける人は一握りなのかもしれない。第3話では、CA(キャビンアテンダント)になる夢を諦め、管制官になった河原かすみ(玉城ティナ)の葛藤が描かれた。

参考:『NICE FLIGHT!』素直になれない真夢と素直すぎる粋 玉森裕太×中村アンに感じた“運命”

 華やかな生活に憧れていたかすみにとって、管制の仕事は地味すぎてつまらない。それなのに、周囲には、渋谷真夢(中村アン)や夏目幸大(阿部亮平)など管制の仕事に誇りを持っている人ばかり。特別な思い入れがない自分が、この場所にいてもいいのだろうか。どうせ、なりたかった職業ではないのなら、いっそのこと諦めてしまった方がいい。やりがいを得ることも、成長するために努力をすることも。そう思い込ませているうちに、希望を抱いていた頃の自分に戻れなくなってしまったのだろう。

 ただ、“仕事=お金を稼ぐためのもの”と割り切って、プライベートを充実させる生き方を選んでもいいはず。それなのに、なかには、「仕事にやりがいを持て」「職業に誇りを持て」と“やりがいの搾取”をしてくる人もいるのが、現実なのである。それに、希望に溢れた人に囲まれていると、希望のない自分が間違っているように思えてくる。かすみの複雑な想いには、共感した人も多いのではないだろうか。

 やる気の持てないかすみと対局にいるのが、同じく管制官の夏目だ。彼は、とにかく“仕事愛”が強い。強すぎるあまりに、やる気のないかすみが目についてしまうのだろう。時には、「こっちは、この仕事に誇りを持ってやってるんだよ!」と指導係として厳しい言葉を投げることもあった。

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 しかし、夏目にも挫折経験があることが判明する。もともとパイロットを目指していた彼は、入社試験の身体検査で不合格に。泣く泣く、夢を諦めることになった。きっと、どうにもならないやるせなさを感じた日々もあったのだろう。かすみのように、「なりたかった仕事じゃないし」と言い訳をして、頑張らない理由を作ったこともあったかもしれない。

 それでも、「今は、管制官になってよかったと思ってる」ときっぱりと言い切った夏目。さらに、「今すぐにじゃなくても、いつか管制官がいちばんやりたい仕事だって思える日が来るかもしれない」とかすみにエールを送った。この言葉は、かすみだけでなく、挫折を経験して、それでも日々頑張っているすべての人々の“希望”になるはずだ。

 ちなみに、夏目とかすみの関係性は、スピンオフドラマ『NICE CONTROL!』(TELASAで独占配信)でじっくりと描かれていくようだ。夏目を演じている阿部亮平(Snow Man)は、真面目な性格ゆえに、かすみに強く当たってしまうが、実は振り回されている……という愛らしい演技がハマっている。初の連続ドラマレギュラー出演にして、ネットドラマ初主演。阿部にとって“初”尽くしの本作が、さらなる飛躍のきっかけになるだろうか。

 そして、気になるのが粋と真夢の恋模様。かすみと粋が仲良さそうにしている場面を見ると、複雑そうな表情を浮かべていたあたり、真夢にとって気になる存在になっているのは間違いなさそうだ。粋にとって真夢は、一緒に空を飛ぶ仲間であり、ピンチから救ってくれた救世主でもある。また、目に見える手応えがない管制官にとって、「一緒に飛んでくれてありがとう」というパイロットからの言葉は、仕事の“やりがい”にもつながるはずだ。結ばれることで、プラスになる要素しかないのに、なかなか接近しない2人の距離。線香花火のように、じわじわと燃え上がる2人の恋を、ゆっくりと見守っていきたいと思う。(菜本かな)

 
   

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