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躍進し続ける道枝駿佑!『今夜、世界からこの恋が消えても』での繊細な表情から目が離せない

MOVIE WALKER PRESS

福本莉子とのW主演となる『今夜、世界からこの恋が消えても』(公開中)で、難病「前向性健忘」を患ったヒロインを支えながら、自らも大きな秘密を抱えている主人公という複雑な役どころに挑んだ、なにわ男子の道枝駿佑。ジャニーズの演技派として、作品ごとにおもしろいほど目覚ましい成長を見せている注目株だ。以前は周囲になじむような自然な演技が光っていたが、ここのところは主役ならではのオーラに満ちあふれ、ますます目が離せない存在になってきた。

■平野紫耀や井ノ原快彦との共演、「金田一少年の事件簿」の5代目主演にも抜擢!

King & Princeの平野紫耀が教師役を務めた24時間テレビ内のスペシャルドラマ「生徒が人生をやり直せる学校」では、学校では人気者だが、家に帰ると家庭内暴力に苦しんでいる生徒という二面性のある役に挑戦。ハリウッドデビューを果たした青木柚、大河ドラマで注目を集めた板垣李光人といった実力派の若手俳優と並んでも遜色ないどころか、映っていない場面でも存在感が光る、“忘れられない生徒”役を好演した。
映画『461個のおべんとう』(20)では井ノ原快彦と父子役で共演。自由奔放な父とは対照的に自分の感情を押し殺す内向的な息子役に扮した。毎日欠かさず息子へのお弁当を作り続ける父親の愛に、戸惑いながらしだいに心を許していく息子。まるで違っていた井ノ原と道枝の表情が、最終的には父子らしく重なって見えてくる。陰陽どちらのキャラクターもピタリとハマる、この豊かな“表情”こそ、道枝の大きな武器である。

Snow Manの目黒蓮とW主演を務めたドラマ「消えた初恋」は、Twitterのトレンドランキングで関連ワードが複数並ぶなど、初回放送時から話題になった異色ラブコメ。秘かに想いを寄せるクラスメイトの橋下さん(福本莉子)が硬派の井田(目黒)に片想い中と勘違いした主人公の青木(道枝)が、井田を意識せずにはいられなくなるコミカルな展開。話の通じない井田を相手に目を白黒させて驚いたり、感心したりしながら、魅かれてゆく道枝の秒刻みで変わる表情が見どころ。

さらには、堂本剛(KinKi Kids)、松本潤(嵐)、亀梨和也(KAT-TUN)、山田涼介(Hey! Say! JUMP)ら錚々たる先輩たちが主演を務めてきたドラマ「金田一少年の事件簿」の5代目にも抜擢。小学生の時に、山田演じる「金田一」に憧れ、ジャニーズ事務所に応募した道枝が、のびのびと彼らしい“一ちゃん”を披露。「じっちゃんの名にかけて」の名台詞も回ごとに板につき、凛々しい顔つきとともに実に頼もしい存在になっていった。

■透の心の機微を丁寧に表現した卓越した“表情づかい”

毎作品、とてつもない伸びしろを見せる道枝が満を持して映画初主演に臨んだのが、「セカコイ」こと『今夜、世界からこの恋が消えても』である。一度眠ると、起きていた間の出来事の記憶が失われてしまうヒロイン、真織のために毎日、思い出を積み重ねていく主人公の透。「消えた初恋」で共演した福本と抜群の相性で、本気の恋をしないと誓いながら、本物の恋に落ちてしまう2人を演じている。

ここでも道枝の巧みな表情づかいは健在。無色透明なおもしろ味のない日常を過ごしていた透が、真織と付き合い、彼女を知っていくうちに生活に光が差し、彩られていく様子が緩やかに変化する面持ちから見て取れる。いたずらに加担させられ、不本意に告白する「付き合ってもらえませんか」の仏頂面。デートを重ねるうち見せるようになる、こぼれるような笑顔。極めつけは心を許した相手にしか見せないであろう、バスでの居眠り姿。なにわ男子のなかでも「寝相が独特」とネタにされている彼らしい寝姿は、何度も繰り返し見たい無防備な愛らしさだ。

真織にどんどん心を開放し、いろんな面を見せる透。真織が見つめる先にある、彼の面差し一つ一つが忘れがたく、記憶を焼きつけようとする真織と同じように観客の心にも鮮やかに刻まれていく。

国宝級イケメンでありながら、コメディでは変顔も厭わず、多種多様な表情をテンポよく繰り出す。一方で、しっとりしたラブストーリーでは心の機微を感じさせる、繊細な演技でじっくり見せる実力の持ち主。まだまだ育ち盛りの道枝。今後はどんなジャンルでどういった表情を見せてくれるのか、期待が高まるばかり。

文/高山亜紀
 
   

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