車を所有していない、あるいは出先で車を使いたいときなどに重宝するレンタカー。その利用者は実に幅広く、運転にあまり慣れていない人もしばしば利用することがあります。そのためレンタカーを借りている最中には、慣れないがゆえのトラブルも。

今回はレンタカー店のスタッフに、「貸し出し中のトラブル」について話を聞きました。

「急にエンジンがかからなくなった!」その原因は…

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やはり運転に慣れていないドライバーの場合、車の細かい操作方法がわからず、トラブルに至るケースがあるようです。都内のレンタカー店舗に勤務するスタッフは、次のような「あるある」を答えてくれました。

「ちょくちょくあるのが、出発後に『エンジンがかからなくなった』という連絡ですね。大体はギアがパーキングに入っていないパターンで、たまにハンドルロックが起きていることもあります。

困ったトーンで電話してくる人もいますし、怒り気味に『エンジンかかんないんだけど?』とかけてくる人もいます。やっぱり怒っている場合は指摘するのが気まずいですよ。問題が解決しても、不服そうに『先に説明しといてよ』とか言われるので……」(都内営業所スタッフ・勤務歴8年)

オートマチック車は基本的に、誤発進を防止するためシフトレバーが停止用ギアの位置に入っていないとエンジンがかかりません。またハンドルロックは盗難防止の機能であり、エンジン停止時にステアリングの角度を一定以上変えようとすると、カチッという音とともにステアリング操作を受け付けなくなります。

ハンドルロックを解除するには、ステアリングを左右に動かしながら始動操作を行う必要があります。エンジンがかからないと焦ってしまいますが、解除方法は難しくありませんので、落ち着いて対処するようにしましょう。

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どうしてそんなになるまで気づかなかったんだ…!

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続いて、車の操作に関するトラブルエピソードです。なんでも、レンタカーを借りて「出発する瞬間」から問題を起こしてしまうドライバーもいるようで……。

「たまにサイドブレーキをかけたまま発進してしまうお客さんがいますね。免許取得から日が浅い方には、なるべく貸し出し時にサイドブレーキの位置をお伝えするのですが、それでもやはりカバーしきれないケースはあって……。

出発を見届けたとき、明らかに引きずって発進していることに気づいて、慌てて止めるというパターンを何度かやっています。もちろんお客さんによっては出発するまでに時間がかかることもありますから、すべての方を見送れるわけではなく、見逃してしまっているケースもあるでしょうね。

経験の長いスタッフから聞いた話では、過去にサイドブレーキをかけたまま30kmほど走行してしまい、『車が焦げ臭くてブレーキが効きにくくなった』と連絡が来てようやく発覚したケースがあったようです。レッカーを手配したり代わりの車両を向かわせたりと、色々と大変だったみたいですね」(都内営業所スタッフ・勤務歴5年)

サイドブレーキがかかったまま発進したとしても、普段から運転している車であれば、すぐに違和感に気づけるものと考えられます。またサイドブレーキがかかった状態ではメーターパネルに赤い「!」のマークが表示されるため、どのような車を運転する場合にも気づけるポイントはあるでしょう。

しかしレンタカーを借りる際には、慣れない車を運転する緊張感などにより、正常な判断力が失われやすい状況にあるのかもしれません。サイドブレーキをかけたまま走行してしまうと、そのうちブレーキフルードなどに異常が生じ、ブレーキが効かなくなったり、重大な故障・事故につながったりする可能性もあります。

レンタカーなど普段と異なる車種を運転する際には、サイドブレーキの位置を確認し、しっかりと解除してから発進するようにしましょう。

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