360cc最強の40馬力!「フェローMAX SS」あらわる

360cc最強の40馬力エンジンを積んだフェローMAX SS…40馬力といえば、第2回日本グランプリ(1964年)の頃ならレーシングエンジンのスペックだが、6年後には実用車がそこへ到達してしまった

発売3ヶ月後の1970年7月には「フェローMAX SS」を追加、後に「SSエンジン」とも言われる水冷直列2気筒2サイクル・ツインキャブのZM-5エンジンは最高出力40馬力/7,200rpm、最大トルク4.1kgf・m/6,500rpmで、せいぜい36~38馬力なライバルを圧倒!

もっとも、現在のネット値ではなくグロス値(車載状態ではないエンジン単体での性能)ですから15~20%ほど割引いて考える必要はありますが、360ccでも高回転で最大トルク4kgf・m超えですから、ブン回して稼ぐ典型的な高回転高出力型エンジンでした。

他社でも2サイクルエンジンなら似たようなものとはいえ、ZM-5の低回転トルクスカスカぶりはなかなか強烈で、ある自動車評論家は「ダイハツから試乗車を借りて走り出した途端、ちょっと油断するとすぐにカブったプラグを交換するハメに」と述懐しています。

このSSエンジンことZM-5は翌年発売されるハードトップにも「GXL」と「SL」グレードへ搭載してラリーでも活躍、翌1972年10月に昭和48年排出ガス規制で37馬力(標準エンジンのZM-4は31馬力)へ抑えられるまで短期間の販売でしたが、歴史に名を残しました。

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ピラーレスでフルオープン!軽自動車初のハードトップ

フルオープン可能な前後ウィンドウによる開放感、低いルーフでスポーティなフェローMAXハードトップ

1971年8月には軽自動車初のハードトップ車を発売、しかもBピラーがなく前後窓のフルオープンが可能なピラーレスハードトップ車で、これもホンダ Z(初代・1972年11月にピラーレスハードトップ化)に先行。

セダン(標準車)よりロールーフでスポーティさを増し、翌1972年10月に4ドアセダンが追加されると、2ドア/4ドアセダン、2ドアハードトップ、3ドアバンで一通りのラインナップをフェロー1台で完成させました。

街中を走る車のほぼすべてがオートマ車

「MTよりATのほうが好きだなんて言えない…」本当に“車好きならマニュアルに乗るべき”なのか?