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乃木坂46「車道側」MVと歌詞を考察!青春の影に潜む複雑な感情の結末は?

UtaTen

乃木坂46新曲は懐かしさを感じる青春ソング!


2024年4月10日にリリースされた人気アイドルグループ・乃木坂46の35thシングル『チャンスは平等』のアンダー曲で、4期生の筒井あやめがセンターを務める『車道側』。

作曲をAKB48の『前しか向かねえ』を代表曲にもつ古城康行が、編曲を乃木坂46の多くの楽曲を手がけてきたAPAZZIが担当した楽曲です。

また、MVの監督は『アナスターシャ』『おひとりさま天国』などで知られる伊藤衆人が務めています。

とある学校を舞台に、メンバーそれぞれが5つの部活動に分かれて学校生活を送る内容です。

どこか懐かしさを感じさせる青春が詰まったMVを中心に、歌詞に込められた意味を考察してみましょう。
▲乃木坂46-車道側【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

楽曲冒頭では、仲の良い幼馴染3人が同じクラスになったことを喜ぶ短い動画が流れます。

その後学生たちが土手を通学する様子が映し出されますが、そのワンシーンだけを取ってもそれぞれの性格や関係性が垣間見え、学生特有の眩しさと不器用さが伝わってきます。

放課後に楽しく話していた幼馴染が部活動に行くと、取り残された帰宅部の主人公は寂しさからデジカメに記録された写真を眺めた後で教室を出ていきます。

主人公と同様に帰宅部で教室に残っていたある生徒は主人公に言いたいことがあったようですが、タイミングを逃して伝えられませんでした。



1番の歌詞に注目すると、幼馴染同士の気安さゆえに自分の本当の気持ちを言えない歯がゆさが歌われています。

いつもの場所で交わす「どうでもいい近況」じゃなく「本当はもっと大事なこと伝えたい」と思いながらも、今の居心地が良い関係に安心して本心から目を逸らそうとしてしまっているようです。

好きな人の話を無邪気にしていた頃とは違い、幼馴染本人を好きになったことに気づくと何も言えなくなります。

歌詞とMVの共通点は、近しい相手との距離に悩んでいる点です。

成長するにつれて狭かった世界が広がっていき、ずっと一緒に過ごしていた幼馴染同士でもやがてそれぞれが知らない交友関係を持ち始めます。

恋であれ友情であれ、微妙な距離感に置いてけぼりをくらっているように感じることがあるでしょう。

正直にその気持ちを話せればいいですが、相手のことを思うと言い出しにくくなります。

主人公がカメラを向けて切り取った景色とそれぞれの部活動で時間を過ごす生徒たちの姿が、学校という小さな空間にもあらゆる関係が複雑に入り組んでいることを窺わせますね。

いつだって幼馴染は近くて遠い



主人公がカメラを持って学校内を歩くと、様々な場面に出くわします。

吹奏楽部の2人のぎこちない雰囲気、軽音部の楽しそうな様子はカメラを向けるのすらためらってしまう場面です。

次はバスケットボール部を見学し、ねん挫したらしき幼馴染にハッとしていると救急箱を持った仲間が駆けつけます。

その様子を見ている主人公の表情から、寂しさや疎外感のような感情が読み取れるでしょう。

一方ダンス部の練習場所に立ち寄ると笑顔で迎えられ、主人公自身も幼馴染とは別の交友関係を広げていることが分かります。



2番の歌詞では、ここではない世界を夢見る初々しい気持ちが歌われています。

それでも歳を重ねると、叶わない夢があるという現実や自分自身の人生の輪郭が徐々に見えてくるものです。

子どもの空想とは違い現実は少し味気ないものの、「大人になるってそういうことなんだ」という気づきももたらしてくれます。

そしてどんなに大切にしていてもずっと一緒にいられるとは限らず、「それぞれの未来」を歩まなければならないことも分かってきます。

大人になるとは現実を受け止めて自分の道を歩むことを意味しているのかもしれません。



関係が変わったら友達ではいられなくなるのでしょうか?

幼馴染が他の生徒たちと同じように踊る中で1人佇む主人公は、そんな疑問を抱いています。

「いつだって幼馴染は近くて遠い」というフレーズから、単なる友達ではなく小さな頃からずっと一緒にいた幼馴染相手だからこそ気持ちが揺れていると考察できます。

近くにいる人ほど成長や変化に戸惑い、その本音や感情が理解できない時があるものです。

相手のことを意識していない間は「歩道も車道も気にしないで」並んでいましたが、「甘酸っぱい感情」に気づいた今では変わらないといけないのでないかと感じて焦ります。

とはいえ、主人公は周りに合わせて踊ってみても長く続きません。

変わるために行動を起こしたい気持ちと変わらない自分で安心していたい気持ちの間で迷っている様子がもどかしいですね。

「車道側」に込められた意味とは?



その後、今までたくさんの写真を撮影してきた彼女が初めて自分にカメラを向けます。

しかしその表情はまだ暗く複雑な感情を抱えているように見え、シャッターが切れません。

そんな時幼馴染から届いたメッセージには、写真を撮る彼女の姿を捉えた写真が何枚も届きます。

そのことをきっかけに、主人公は生き生きとした表情で中心に立って踊り始めました。



1番と楽曲の最後に歌われるサビでは、幼馴染と出会ってから今までのことを振り返っています。

幼稚園の頃に出会い、高校生になるまでずっと一緒に過ごしてきた幼馴染です。

彼女よりも背が小さかったあの頃とは違い、アスファルトに落ちた影はもう彼女より大きくなっています。

影を見てそのことに気づいた彼は、彼女を守る存在になりたいと願い「車道側を歩こう」と決めます。

そして最後にやっと「どこにいたって君のことが好きだ」と自分の感情を認めることができました。

変わりたいと思っても無理に自分を変えることはできませんが、変わるきっかけは必ず訪れるはずです。

MVで描かれた主人公のきっかけは、幼馴染から送られた写真でした。

自分のことを忘れて別の世界で楽しんでいるように見えた幼馴染も、主人公が彼女たちを見つめるようにいつも気遣い大切に思ってくれていたことを感じたのでしょう。

共に写った写真からもその絆の強さが伝わってきます。

ちなみに、タイトルの「車道側」は「影(シャドー)」とかかっていると思われます。

この点をふまえると、たとえ誰かの影になっているような目立たない存在だとしても大切に思ってくれる人が必ずいることを感じさせるのではないでしょうか。

夕日の中を下校する生徒たちの姿がシルエットとして映し出されているように、光があれば影が生まれます。

この楽曲もシングルの選抜から外れてしまったメンバーたちが歌うアンダー曲です。

選抜メンバーを光とすれば、アンダーは影と言えるかもしれません。

それでも光と影は表裏一体で優劣はなく、影があるからこそ気づけることもあります。

だから自分は自分らしく、大切にしてくれる人を大切にしながら成長していこうと思える楽曲です。

純度の高い青春ソングを味わおう!


乃木坂46の『車道側』では、幼馴染や学生という立場特有の心の変化が取り上げられていました。

きっと誰もが感じたことのある感情で、共感したり懐かしく思ったりした方が多いでしょう。

いま青春真っ只中の方もかつて青春を駆け抜けた方も、ぜひそれぞれの立場で『車道側』のMVや歌詞について考えてみてくださいね。
 
   

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