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総合スーパーの時代は終わった~森永卓郎『経済“千夜一夜”物語』

週刊実話WEB

ひっ迫した家計を救うため、主婦は働きに出ざるを得なくなったのだ。働きに出ると、夫婦共に買い物時間が限られるようになる。

結果的に値段が高くても、近くにあって、24時間営業のコンビニに客足が流れるようになったのだ。

経営破たんしたダイエーが暗示?

総合スーパー地盤沈下のもう一つの理由は、地域間格差の拡大だ。

地方交付税の抑制で財政面での地方経済下支えが弱体化したうえ、金融資本主義のまん延で、地方で農産物や工業製品を作る人の所得が低迷する一方、大都市中心部でカネや情報を転がすだけで大きな富を得る人が増加した。

そうなると、郊外や地方に住む人は、低所得者が主流になり、食費以外にお金をかけられないようになってきたのだ。

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私は都心から50キロほど離れた埼玉県所沢市の西部に住んでいるのだが、この1年で大型総合スーパーの西友とパルコが相次いで閉店した。

その一方で、賞味期限が短くなった食品などを激安で販売する食品スーパーが開店し、連日多くの買い物客を集めている。

地域間格差が最も鮮明に現れているのが、マンション価格だ。70平米程度の普通の中古マンションでも、都心だと1億円は下らない。

ところが、郊外だと数百万円、地方に行くと10万円単位ということもある。

もはや日本に中流はなくなり、夫が会社に行っている間に自由な時間を楽しめる主婦もいなくなった。

男女共同参画の名の下に、女性に与えられたのは、労働の強制と自由の喪失だったのだ。

そうしたなかで主婦のパラダイスだった総合スーパーが成り立つはずがない。ただ、それは20年前に経営破たんしたダイエーが暗示していたのかもしれない。

ダイエーの創業時のキャッチフレーズは、「主婦の店、ダイエー」だったからだ。

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