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現役ライターが暴露する「コタツ記事」の仕組みと裏側、大手マスコミも抜け出せない魔の魅力

ロケットニュース24

外部の人間からすれば「どっちもどっち」といったところだが。

こういったタイプの記事は週刊誌や夕刊紙のWEB媒体が得意としている。これまでの芸能ネタの蓄積を反映しやすいからだ。

さらにX(旧ツイッター)のトレンドや『Yahoo!ニュース』からネタ探しをすることも常套手段の1つだ。

Xユーザーが誰に、どんなトピックスに関心を持っているかトレンドから見えてくる。

また、『Yahoo!ニュース』の「アクセスランキング」や「コメントランキング」をチェックし、リアルタイムでどんな記事、誰を取り上げた記事が読まれているのか把握し、それに付随したネタをひねり出す、といった具合に。

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まさにコタツに入っていても書ける記事だということがわかってもらえるやり方だろう。

・大手ネットニュースは『週刊文春』のおこぼれに預かっている

世間を揺るがすセンセーショナルなスクープを連発する『週刊文春』(文藝春秋)。

最近話題になった例でも、ジャニー喜多川氏の加害問題、ダウンタウン・松本人志氏の女性スキャンダル疑惑を最初に報じたのも文春だった。

文春のスクープはテレビやラジオでも取り上げられ、多くの人の耳目に触れることになり、SNSでもその話題一色になる。

他のネットニュースも「このネタは読まれるぞ」となり、文春のスクープに付随するネタをとにかく探すようになる。

スポーツ紙や出版社には毎週木曜日の『週刊文春』発売日の前日、水曜日に “早刷り” と呼ばれる雑誌が届く。

それを見て、木曜日に文春で出るはずのスクープに関連する記事をしれっと水曜日のうちに出すなんてこともあったりする。

大手のWEBメディアも文春に足を向けて寝るなんてことはできないのだ。

・ネタ出しと記事作成

一連のネタを編集であれば記者やライターに、記者やライターであれば担当編集に提出する。

これももちろん実際に対面で行われるものではなく、LINEなどのチャットで行われることが大半だろう。コタツ記事は公開するまでのスピードが勝負だからでもある。コロナ禍を経てこのような体制になった会社も多いはずだ。

テレビ・ラジオ発言をそのまま書き起こすだけの記事ならこういった打ち合わせも必要はなく、それこそ数分で記事になる。

ただ、それではどのメディアも横並びで埋もれてしまう、読まれない可能性が高い。

そこで、そのネタをどう料理するかも重要だ。他メディアとかぶらないために、どういった方向性、切り口の記事ができるかを検討する。

その際には視聴者やXユーザーの反応を入れてみたり、芸能人の過去の発言やスキャンダルなどを掘り返したりすることが多い。

そこからさらに深掘りするため、読者にとってより有益な記事にするため、弁護士や評論家、専門家などの有識者にコメントをもらうということもある。

こうなるとコタツ記事とは言えないのかもしれないが、コメントをもらうのも電話やメールでのやりとりだったりするので、厳密にはやはりコタツ記事になるのではないか。

一方で『ロケットニュース24』はコタツ記事と真逆にある。

記者が自らの目と足でネタを探し、店や人を実際に取材・体験する。そして、そんな記事が毎日10数本もアップされる。なかなかやってのけられることではない。

筆者も時にはコタツから出て、自分の足で稼ぐようになりたいものだが。

参考リンク:Wikipedia「コタツ記事」
執筆:田中ケッチャム
イラスト:いらすとや

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