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恋愛はすべての生物が命がけで行う一番残酷な戦争である――人間の恋愛を生物学でシュールに解説する『あくまでクジャクの話です。』

ダ・ヴィンチWeb

『あくまでクジャクの話です。』(小出もと貴/講談社)

 恋人がいなくても楽しく生きられる時代。結婚が、子どもがいることだけが幸せじゃない。
 男女ともにそんな価値観が広まりつつある昨今。とはいえ、誰かと恋したい! 彼氏・彼女が欲しい! 結婚したい! と思う人もまだまだ多いはず。そんな人にとって、「恋人にフラれた」「好きな人が振り向いてくれない」などの悩みは何よりも深刻なものだ。

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 捉えどころのない人の心。だがそれも、“生物学”的な手法を用いることで自在に操れる…かも? そんなユニークな角度から描かれたシュールなラブコメディー、それが『あくまでクジャクの話です。』(小出もと貴/講談社)である。

 物語の主人公である高校教師・久慈は、最近付き合い始めたばかりの彼女にフラれ、傷心中。恋人になって日が浅いこともそうだが、何より自身のコンプレックスである「男らしさに欠ける」ことが破局理由である点にダメージを受けていた。

 そんな中ひょんなことがきっかけで、彼は生物学部の部長を務める女生徒・阿加埜と関わりを持つことに。

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 容姿端麗、文武両道。校内でも完璧な美女として有名な阿加埜だが、単独行動が多くその素性は謎に包まれている。

 彼女曰く、「男らしくない男がモテないのは生物学で説明がつく」とのこと。

 オスとメスが交尾をし、子孫を残す。「恋愛はすべての生物が命がけで行う一番残酷な戦争である」という阿加埜の論説に、久慈はついつい圧倒されてしまう。

 さらに阿加埜はその日以来、なぜだか久慈に対しかなり強引に「生物学部の顧問になってほしい」と執拗に迫ってくるように。

 果たして阿加埜の目的とは? 教師と生徒、年齢も立場の差も大きな男女の関係は、一体これからどうなっていくのか──そんなストーリーともなっている。

 作品の魅力はまず一番に、阿加埜の展開する“生物学”の話がストレートに面白い!

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