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大谷翔平、40打席本塁打なしの原因を徹底分析! 打撃傾向から見えた“スランプ”の理由とは…?

ベースボールチャンネル

大谷翔平、40打席本塁打なしの原因を徹底分析! 打撃傾向から見えた“スランプ”の理由とは…?(C)ベースボールチャンネル


 

 
 コース別のホームラン数、ハードヒット数(打球速度95マイル以上)、バレル数(一定の打球速度、角度を満たす打球)(※2)およびそのスイング数に対する割合をみると、各指標とも、過去3年では真ん中が最多・最高になっている。ただし、2023年は外角高め、真ん中高め、真ん中低めの割合も高くなっていた。

コース別ハードヒット数、バレル数(2024年開幕直後:現地時間4/2まで)


 
 2024年開幕直後になると、過去3年で20%台後半を記録していた真ん中のハードヒットの割合が11.1%に大きく低下、インコースのハードヒットは1本だけだった。
 
 一方、2023年に得意としていた外角や真ん中低め、さらに外角高めのボールコースは高い割合でハードヒットにしている。打球方向と合わせると、外角を引っ張って強い打球にする傾向がみられていた。バレルを記録した投球コースは、真ん中の高低、外角真ん中の3球だけだった。
 
 開幕直後における大谷選手への特徴的な投球と、打席結果を3つ挙げる。図には球速や球種、打球速度、結果、打球角度を示している。内容やコースはMLB公式HP『Gameday』の記録に準拠した。
  
① 3月20日サンディエゴ・パドレス戦第2打席(対ダルビッシュ有)
② 3月30日セントルイス・カージナルス戦第6打席(対ジョバンニ・ガエゴス)
③ 3月31日セントルイス・カージナルス戦第3打席(対スティーブン・マッツ)
 

 

 開幕直後の特徴的な投球と打撃内容の例


 
 今季初安打となった①は、外角高めのボール球のシンカーを引っ張ってシングルヒットにしたものだ。ボールとはいえ、大谷選手が得意とするようになったコースである。
 
 サヨナラ打のチャンスで凡退した②は、真ん中に近い91.1マイル(約147キロ)のフォーシームであった。4シームとしては速くはない球を引っ張り込めず打ち上げた内容は、真ん中~インコース、ファストボールに苦戦した開幕直後の内容の典型といえる。
 
 本拠地ドジャー・スタジアム史上最速の打球となった③は、開幕直後でもヒットにしていた90マイル(約149キロ)未満のチェンジアップを捉えた打球だった。
 
 投手目線から開幕直後の大谷選手に効果的なボールを1つ挙げると、「ど真ん中のフォーシーム」になるのかもしれない。コースはインコースに寄ってもいい。

分析結果から見えてきたのは…?

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では、開幕直後の打撃傾向の背景には、何があったのだろうか。考えられるのは以下の点である。
 
・オープン戦で引き付ける打撃を意識するなど試行錯誤していた
・調整期間が短かった

 

 
 大谷選手の今季のオープン戦初登場は、右ひじの手術明けだったこともあり例年より遅かった。その中で、最大限に引き付けて打つというテーマを持って臨んでいたように見える。オープン戦出場初戦のレフト方向へのホームランがそのいい例であろう。
 
 一方、今季の開幕戦は日本時間3月20日と早く、しかも開催地は遠距離移動を伴う韓国・ソウルである。本来取るべき調整時間が取れないまま開幕を迎えた結果、真ん中の打ち損じも増えるなど感覚がつかめないまま、ノーアーチが続いたように見える。
 
 今季第1号を打ってからはマルチヒットの試合を続けている大谷翔平選手は、今や過去3年の感覚を取り戻したといえる。今後は調子の波はあるにせよ、昨季までの打撃内容が期待できそうだ。そして、好調時に分析したらどのような結果が出るかも楽しみである。
 
(※1)3区分の詳細は以下のとおり。
ファストボール:フォーシーム、ツーシーム、カッター、シンカー
オフスピードボール:スプリット、チェンジアップ、フォーク、スクリューボール
ブレーキングボール:スライダー、カーブ、ナックル、スイーパー、スラーブほか
 
(※2)
詳細は下記参照。
https://www.mlb.com/glossary/statcast/barrel
 
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【了】

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