top_line

気持ちいい!サクサク進む爽快パズルゲーム
「ガーデンテイルズ」はここからプレイ!

4月からは大分県パートナーシップ宣誓制度がスタート。SDGsジェンダー主流化に向けた取り組みを推進

TOKYO HEADLINE

 大分県は、日本の法律で婚姻が認められていない同性同士のカップルに対し「家族と同等であると認める」パートナーシップ制度を2024年4月より導入する。現時点においても県内の18基礎自治体のうち6自治体でパートナーシップ制度が導入されていたが、今回、県内の自治体間の格差を埋めるため、県単位での制度が導入することとなった。今後は、大分県内のすべての住民が制度の対象となり、様々なサービスや社会的配慮を受けやすくなる。

 大手自動車部品メーカーの労働組合であるマレリグループ労働組合連合会(以下、MGU)は3月24日、大分県中津市の今津コミュニティーセンターにて「SOGI基礎セミナー in 九州」を開催した。同セミナーにはMGU加盟の九州地方在住の組合員のほか、マレリ九州(株)の経営者及び地元議員や、大分・福岡を中心とした地元企業の労働組合の執行委員長など約70名が参加した。講師には、レインボーさいたまの会創始者の加藤岳氏が登壇。

 MGUではこれまでSDGsで目標とする「ジェンダー平等を実現しよう」や「人や国の不平等をなくそう」の視点で、ダイバーシティ推進VISONを掲げ「誰もが安心して自分らしく働ける職場風土の構築」を目指し、取り組みを推進してきた。

 2020年からは、男女の枠組みを超えたジェンダー平等の視点で性の多様性を尊重する取り組みにも力をいれ、積極的に職場環境の改善を進めている。当事者の潜在ニーズに寄り添った職場改善を労働組合から提案することで、SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity=性的指向と性自認)専門相談窓口の設置や、配偶者を対象とした福利厚生をパートナーの方にも適用するなどの就業規則の改定も実現してきた。

 また、マレリグループの事業拠点のある埼玉県さいたま市と岩手県北上市においても今回同様のセミナーを開催し、性の多様性に関する基礎知識をはじめ、本取り組みが必要性を各拠点の組合員に伝え、誰もが安心して自分らしく働ける職場風土の醸成も行ってきた。

広告の後にも続きます

 今回の九州のセミナーでは、MGU副議長の橋爪康博氏が「MGUは『SDGs(持続可能な開発目標)』推進の観点から昨年、女性委員会をジェンダー共同・多様性推進委員会へと名称変更し『SOGI』の理解を深めるため九州の拠点で基礎研修を行うこととしました。本セミナーによって性的少数者への理解を深めるとともに、労使の取り組みを職場へと普及することで、多種多様な人財が活躍できるインクルーシブな職場を実現してほしいです」と挨拶した。

 次に、MGUジェンダー共同多様性推進委員会リーダーの田島由紀子氏が「SOGIが尊重される職場づくりに向けたMGUの取り組み」と題し、MGUのダイバーシティ推進ビジョンを紹介。マレリグループ労使で取り組んできた性の多様性を尊重する体制づくりや職場改善策などを説明するとともに、誰もが安心して自分らしく働ける職場風土の醸成に向けた今後の取り組みについて説明した。

 また、マレリグループ内においては、独自の社内パートナーシップ制度を導入したものの、自治体で発行されるパートナーシップ制度の証明の提出を前提としているため、パートナーシップ制度を導入していない自治体に住む従業員が自社の福利厚生を利用することができないという自社の制度の課題感についても語った。

 今回、大分県のパートナーシップ制度の導入叶うことで、マレリ九州(株)に就業する多くの従業員が自社の制度の適用の対象になったが、行政の施策が広範囲に広がることで、マレリグループが継続的に取り組んでいる「多様性が尊重され、誰もが安心して活躍できるインクルーシブな職場づくり」が、今後、他の企業にも広がっていくことを強く願うとも語った。

 続いて、過去2回のSOGIセミナーで講師を務めてきた加藤岳氏が「誰もが安心して自分らしく働ける職場をめざして」と題して講演をおこない、性の構成要素やLGBTQ・SOGIの基礎知識のほか、社会や職場で性的少数者が抱える困難などについて、自身の経験などを交えて説明。就職や転職などにおけるハラスメントの事例紹介やアウティングの危険性などに言及しつつ、「職場で自身が性的少数者であることを伝えていない割合は約8割です。企業の性的少数者への対応が遅れているため、性的少数者の可視化が進みにくい現状があります」と指摘した。一方で、「職場の誰かにカミングアウトしていると勤続意欲が高まり離職率も減ります。また、差別的な言動などがない職場では勤続意識も高くなります」と安心して働ける職場づくりの必要性を訴えた。

 学校の教師をしていたトランスジェンダーの実弟や加藤氏の家族を取り巻く困難などが描かれたショートフィルムが投影され、出席者は性的少数者が抱えるその厳しい現実を目の当たりにして神妙な面持ちとなって映像に見入っていた。投影後に加藤氏は「教師をしていた弟が職場を後にした理由は、校長先生のせいでも、生徒たちのせいでも、弟のせいでもありません。理解のない社会が弟を辞職に追い込んだのです。今の社会構造は、グラスにヒビが入っているような状態であり、水を注ぐとヒビの隙間から漏れていきます。性的少数者はそのような社会構造の中で、地域社会や職場で、グラスから漏れ続けています。そのヒビを埋めるために、自治体にパートナーシップ制度を求める活動や企業で性的少数者に配慮した諸施策が進むための取り組みに力を入れる必要があるのです」と参加者に語りかけた。

  • 1
  • 2
 
   

ランキング(エンタメ)

ジャンル