top_line

足し算+パズルで脳を鍛える!
「2048」はここからプレイ

「SBとしてどう生きるか」菅原由勢が出した答え。サッカー日本代表アジア杯の挫折から1カ月半で模索したスタンス【コラム】

フットボールチャンネル

 直後にも前田のボール奪取から決定機が生まれ、これが入っていたら、早い段階で試合が決まっていたかもしれない。だが、結果的にはそうならず、相手に希望を与えてしまったわけだが、日本としては組織的なプレッシングから縦に速い攻めを意識。主導権を握って、攻め続けた。

 右SBの菅原も前半11分に自らドリブルで持ち上がって守田英正の決定機の起点を作ると、リスタートのキッカーとして何度かチャンスを演出。堂安との縦関係で右サイドを切り裂くシーンも見せた。

 本人は堂安との関係性をこう振り返る。

●「この1カ月半は考え直した」

「律君とはつねにやりやすいなと思っているし、お互いを見ながらポジショニングができ、コミュニケーションも取れている。律君の強みを出してあげたいとも思ってたし、僕の強みも律君は尊重して引き出してくれた。いい関係ができていたと思います」

広告の後にも続きます

 堂安との相乗効果で本来の躍動感や推進力が戻ってきたのも確か。前半の彼は前向きな印象を残したと言っていい。

「アジアカップもうは過去のこと。この1カ月半は、自分がどういう選手で、どういうプレーをすべきなのかをしっかり考え直したし、どういう強みを出して生きていくべきなのかを改めて模索した。やっぱり僕は攻撃のところで数字を残していくSBにならなきゃいけないし、とにかくアグレッシブに攻守に絡んでいく強みを突き詰めてやりたいと。そういったスタンスで取り組んだ結果、チームで数字もついてきている。それを代表でも出そうと思ったんです」

 こう語気を強めた菅原は、日本代表として初めて挑んだビッグトーナメントでの挫折を糧に、いい意味での割り切りをピッチ上で示そう最大限トライしたという。

 だからこそ、ゴールやアシストという明確な結果に直結するプレーがほしかった。実際、それに近いチャンスはあったが、クロスの精度を欠いたり、ボール1つ分ズレたりと、課題に直面した。後半も推進力や躍動感は示し続けたものの、決定的な仕事を見せられず、本人も悔しさを覚えたはずだ。

●さらなる前進への起爆剤。長友佑都や橋岡大樹から受ける刺激

 後半に入ると、日本代表はギアを上げてきた北朝鮮代表に攻め込まれ、アジアカップのイラン代表戦のようにシンプルにロングボールを蹴り込まれる流れになった。そこで、森保監督は迷うことなく5バックにスイッチ。虎の子の1点を守り切る策に打って出た。その時点で菅原はベンチに下がり、交代した橋岡大樹のプレーを外から見ることになった。

 個の打開力を前面に押し出したライバルの一挙手一投足を目の当たりにし、彼は大きな刺激を受けた様子だった。今回戻ってきた37歳のベテラン・長友佑都も含め、右SBの競争の厳しさを痛感したことも事実だろう。アジアカップで活躍した毎熊がベンチ外になるのだから、菅原もウカウカしてはいられない。そういった危機感を強く抱いたことも、1-0で逃げ切った北朝鮮代表戦の収穫だったのではないだろうか。

「今日の自分のパフォーマンスはまだまだ全然だったし、やれること、やらなきゃいけないことが沢山あるなと感じましたね。橋岡選手も長友選手も力があるから代表に来ている。その活躍を見たら刺激になるのは当然だし、自分も負けてられないなとも思いました」

 菅原は新たな闘志に火がついたという。彼はこの一戦をさらなる前進への起爆剤にしなければいけない。果たして彼は熾烈な右SB争いに勝って、再びファーストチョイスに君臨し、日本代表を勝たせられる存在になれるのか。再起を賭けたチャレンジはここからが本当のスタートだ。

(取材・文:元川悦子)

英国人が見た北朝鮮戦「結果よりヤバいのは…」「本当に寒すぎ」「鈴木彩艶の先発も…」
サッカー日本代表、面白みのない90分…。MVPは?【北朝鮮戦どこよりも速い採点】
日本代表、次戦のTV放送・配信予定・キックオフ時間は?

  • 1
  • 2
 
   

ランキング(スポーツ)

ジャンル