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人生に迷う人の背中を優しく押してくれる「バーナデット ママは行方不明」

キネマ旬報WEB

2012年に出版され、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーに約1年間リスト入り。アメリカの作家マリア・センプルによる名著『where’d you go bernadette(バーナデットを探せ!)』を映画化したヒューマン・コメディ『バーナデット ママは行方不明』のBlu-ray&DVDが3月20日(水・祝)に発売(レンタルDVD同時リリース)された。

 

NYタイムズ紙のベストセラー小説を映像化

監督は、実際に劇中の時間経過と同じ12年間をかけて撮影し、ひとりの少年の成長を描いた「6才のボクが、大人になるまで。」(2014)のリチャード・リンクレイター。破天荒で人間嫌いな主人公バーナデット・フォックスには、この役を演じたいと自ら熱望したという名優ケイト・ブランシェット。バーナデットの夫エルジーには「スポットライト 世紀のスクープ」(2015)のビリー・グラタップ、母に優しく寄り添う娘のビーには本作が映画デビューとなるエマ・ネルソンが扮している。

 

息苦しい現実に限界を感じた主婦がひとりで南極へ!

夫のエルジーと娘ビーと共にシアトルで暮らす主婦のバーナデット。なんの問題もなく幸せそうに過ごしているように見えたが、ビーが中学校の卒業記念に「家族で南極旅行に行きたい!」と言い出したことからバーナデットの心に不安が募り出す。

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なぜなら彼女は、旅も人間も大嫌い。大勢の他人に囲まれるのは不可避であろう南極旅行なんて、できれば(本当は絶対)行きたくない。でも、愛する娘の願いだから聞いてあげたい。バーナデットはデリーの仮想秘書“マンジェラ”に旅行券や装備の手配を全て任せ、家族の前では平静を装おうとしていた。

そんな中、娘の同級生の母親で、隣家に住む意識高い系主婦オードリー(クリステン・ウィグ)とトラブルが発生。さらに、かつて天才建築家としてもてはやされつつも夢をあきらめた、自らの過去とも向き合わざるを得なくなっていく。日に日に息苦しさが募るなか、ある事件をきっかけに現実に限界を感じたバーナデットは、忽然と姿を消す。彼女が向かった先は、家族と行くはずの“南極”だった……。

男性支配の建築業界で孤軍奮闘し、最年少で天才(マッカーサー)賞を受賞。環境配慮型建築のパイオニアとして活躍した輝かしい過去をもつバーナデット。ともすればただの高飛車で取っ付き難いキャラクターにもなりそうだが、そこをケイト・ブランシェットは絶妙な塩梅で演じている。彼女がふとした時に漏らす本心、誰よりも家族を愛する優しい心を覗かせる度に、気付けばどんどんバーナデットという人間に魅了されていく。本作で、ブランシェットが10度目のゴールデングローブ賞ノミネートを果たしたのも当然と言えるだろう。

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