水族館ではたくさんの海の生き物たちが生活している。小さな魚、大きな魚、すごく大きな魚、エビカニタコイカ、クラゲに深海生物、ペンギンや海獣たち。
しかし、水族館で育てられているのは、そんな動物たちだけではない。
八景島シーパラダイス(神奈川県は横浜市)では、こんなやつらも育てられている。
わかめである。
実はシーパラでは、毎年春のシーズンになると、施設内で育てたわかめの収穫体験を行っている。
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しかも、収穫したわかめは参加者が持ち帰ることもできるほか、館内のレストランで食べることもできるんだとか。
水族館産のわかめの収穫と実食……なんだかとっても興味をそそられる。気になった記者は2024年3月16日、イベントの詳細について八景島シーパラダイスに話を聞いた。
わかめは「青い炭素」
同館飼育員の野村俊介さんによると、わかめを育て始めたのは2011年12月。横浜市とともに脱温暖化プロジェクト「ブルーカーボン」の実証実験としてわかめの植え付けを行ったのが、活動の始まりだった。
その後、12年3月に初めて収穫を行い、それから毎年継続しているという。
「わかめは海の中で二酸化炭素を吸収して成長します。わかめが吸収した二酸化炭素は青い炭素=ブルーカーボンと呼ばれ、地球温暖化の緩和の役割を果たしています」(野村さん)
わかめが育つ「うみファーム」は、「海」と「食育」を合わせた造語「海育」をテーマにしたエリア。海の環境を身近に感じ、興味を持ってもらうことを目的に、様々な体験を実施している。
わかめの育成も、収穫体験を通じて参加者にそんな「海育」やブルーカーボンの重要性を学んでもらうために継続しているのだと野村さんは説明した。