なんとか職場に着いたけれど症状は落ち着かず、土日によく一緒になる同僚たち皆に心配してもらいながらも限界で……。
園長に連絡したら、昼休みを使って病院を受診するように言われました。
仕方なくタクシーを呼んで病院に行くと、脱水症状も起こしていたので点滴をして、処方薬をもらって仕事に戻りました。
「やっと座れたわー」と言ってた老人が…
そんな状態でしたから、その日の帰りはどうしても座りたくて、品川から大船まで京浜東北線に乗り、車両の端にある3人幅の席で、壁に身を預けるようにして座りました。もしかしたら優先席だったのかもしれません。
途中、おばあさんが乗ってきて、私からひと席空けた隣に着席。「やっと座れたわー」と独り言。もしかしたら私に話していたのかもしれないですが、スルーしていました。
広告の後にも続きます
すると数駅を過ぎたころに、ポカリを握っていた私の腕を、そのおばあさんが掴んで揺さぶり始めたのです。
「あなたみたいな若い人が座る席じゃないのよ、立ちなさいよ」
体調が悪くて抵抗もできず、しばらく揺さぶり続けられていたら、近くにいた夫婦が見ていたようです。妻の方が私を抱きしめて、立ち上がるのを助けてくれました。
その後、私は立っていられず車内で倒れてしまいましたが、途中で下りて家族に連絡しようにも、パニックで手が麻痺したのか曲がらなくなってしまっていたので難しそう。「とりあえず家の最寄りに行けば大きな病院もあるのでなんとしても帰りたい」と伝えたら、周りにいた何人かの女性が声をかけてくれて席を譲ってくれました。
そのまま乗っていると何人かの女性が「私ここで降りちゃうのよ」「この後は私も見てあげますよ」と引き継ぎながらサポートしてくれて、偶然にも同じ駅で降りてくれる方も現れて、「その駅になったら起こしてあげるから休みなさい」と優しく手を握っていてくれました。
最寄りに着いたあとは改札まで付き添ってくれて、無事に帰宅できました。
また会えるなら伝えたい
体調不良で意識がもうろうとしていたため、判断がうまくできず、お顔も覚えられず、お名前も聞かないままお礼だけ伝えてお別れしました。
あの時周りで助けてくれた皆さんには、本当に感謝しています。
またお会いできるなら感謝を伝えたいです。
ちなみに、保育園での仕事はすぐに辞めることにして、今は衛生環境の整った給食業界で働いています。
私も人助けが必要そうな方には声をかけるよう、心がけたいです。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」「あの時はごめんなさい」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない……。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、読者の皆さんに投稿していただいた体験談を、プライバシー配慮などのために編集している場合があります。あらかじめご了承ください)