現在の「白いハンカチ運動」では、実際にタオルやハンカチが掲げられた件数についても組長がLINEを使って報告し、デジタルの結果と合わせて管理されています。
会員からは、「外出時でも安否を登録できて便利」と評価されているそうです。
取り組みが広く知られ、12世帯が新規加入
自治会の対象地域には800世帯以上あり、学生など一時的な居住者を除いても約400世帯が住んでいます。近年は、高齢などを理由に自治会をやめる世帯が増え、加入世帯は180ほどですが、デジタル活用の取り組みが新聞などで取り上げられたことで広く知られるようになり、新たに12世帯が加入してくれました。
「より実用的な取り組みに」
ただ、広報委員会の伊藤裕造さん(65)は、「災害が起こった時に、デジタル安否確認が十分に機能するかどうかには課題があります」と話します。
災害時の安否確認では、世帯や個人ごとの安否を把握する必要があります。ただ、現在のデジタル安否確認訓練では、個人情報の扱いに懸念があるため、あえて個人情報を含めずに、参加者の所属する「組」の情報だけを登録しています。
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自治会では今後、対象地域内の各世帯に固有のQRコードを配布し、個別の番号を割り当てることを検討しています。この取り組みが実現すれば、より実用的なシステムができると期待されています。
伊藤さんは、「今回の受賞はとてもありがたいですが、私たちの活動はまだ途中段階であり、さらに充実させて、賞に見合うものにしていきたい」と話していました。
写真説明:南新井自治会でデジタル活用を進めている伊藤裕造 さん(奥)と、小城三千雄 さん(手前)
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