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刻々と移りゆく風景の中で一瞬の情景を描き出す  「モネ 連作の情景」 大阪中之島美術館にて開催!

cinefil

パリから北西に60kmほど離れたヴェトゥイユを、セーヌ川に浮かべたボートの上から描いています。教会を中央に据えたヴェトゥイユの街並みの下には、緑の土手とボート遊びに興じる人々が描かれ、それらと空を映し出した川面が画面の下半分を占めています。

第3章テーマへの集中

モネは新たな画題を求めてヨーロッパの各地を精力的に旅しています。
本章ではノルマンディー地方のプールヴィルの海岸を描いた作品群が展示されています。15年後に再訪した際は、構図はさほど変えず、海や空の天候による変化を主題としています。
旅先に滞在中、同じ対象であっても季節や天候、時刻によって、海や空、山や岩肌の表情が絶え間なく変化する様子を描きました。

《ヴェンティミーリアの眺め》1884年 油彩、カンヴァス 65.1×91.7cm
グラスゴー・ライフ・ミュージアム(グラスゴー市議会委託)
© CSG CIC Glasgow Museums Collection. Presented by the Trustees of the Hamilton Bequest, 1943

1883年12月にルノワールと旅した地中海沿岸に魅了されたモネは、翌年1月にひとりでこの地を再訪します。画家は輝くような光の下での植物や風景を明るい色彩で捉えようと奮闘し、それまであまり用いなかった青やピンクなどを使うようになりました。

《エトルタのラ・マンヌポルト》1886年 油彩、カンヴァス 81.3×65.4cm メトロポリタン美術館
Image copyright © The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY. Bequest of Lillie P. Bliss, 1931 (31.67.11)
日本初公開

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エトルタはノルマンディー地方の切り立った断崖と奇岩で有名な海辺の景勝地です。モネはドラクロワ(1798-1863)、クールベ(1819-77)などがエトルタの奇岩を描いた作品を目にしていましが、1883年から86年にかけて毎年この地で制作しました。

第4章 連作の画家、モネ

1883年春、42歳のモネはヴェトゥイユの下流に位置するセーヌ川流域のジヴェルニーに移り住み、制作に励みました。
モネが体系的に「連作」の手法を実現したのは〈積みわら〉が最初だと考えられています。

《積みわら、雪の効果》1891年 油彩、カンヴァス 65.0×92.0cm スコットランド・ナショナル・ギャラリー
© National Galleries of Scotland. Bequest of Sir Alexander Maitland 1965

1886年までに描かれた積みわらは家畜の飼料用の干し草の山ですが、1890年から91年に描かれた積みわらは、脱穀前の麦を積み上げたものです。「連作」では、似た構図の〈積みわら〉が、天候や時間、季節による光の効果の違いによって描き分けられています。

第5章「睡蓮」とジヴェルニーの庭

後半生を過ごしたジヴェルニーはモネの尽きない着想源となります。セーヌ川支流のエプト川が流れる村の風景を四季折々にとらえて描きました。
「花の庭」と「水の庭」を本格的に整備し、「水の庭」では睡蓮を栽培し、池に日本風の太鼓橋を架けて藤棚をのせ、アヤメやカキツバタを植えました。

《睡蓮》1897-98年頃 油彩、カンヴァス 66.0×104.1cm ロサンゼルス・カウンティ美術館
Los Angeles County Museum of Art, Mrs. Fred Hathaway Bixby Bequest, M.62.8.13, photo © Museum Associates/LACMA

ジヴェルニーでモネが情熱を注いだのは絵の制作とガーデニングでした。池の水面を間近にとらえ、まるで大画面の一部のような作品です。赤みを帯びた白い睡蓮が豊かな花弁を広げ、切れ込みのある円い葉とともに池に浮かんでいます。クローズアップした構図を素早く粗い筆致でとらえ、青や紫など様々な色を使って活き活きと描かれています。

《睡蓮の池》1918年頃 油彩、カンヴァス 131.0×197.0cm
ハッソ・プラットナー・コレクション © Hasso Plattner Collection

庭の樹々や空の雲が、まるで鏡像のように池の水面に映し出され、その色と形が睡蓮の花や葉と交ざり合い、明るく暖かな色彩の見事な調和が構成されています。遠景になるほど光の量は増し、池の片隅に立って制作するモネの眼と、絵を見る私たちの眼が重なります。視覚障害を患いながらも制作に打ち込んでいた晩年の大作の一つです。

一瞬の表情や風の動き、時の移り変わりをカンヴァスに写し取った「連作」は、巨匠モネの画業から切り離して語ることはできません。
移ろいゆく景色と、その全ての表情を描き留めようとしたモネの時と光に対する探究心が感じられる「連作」は、モネの画家としての芸術的精神を色濃く映し出しているといえるでしょう。
モネが描き出した美しい情景に包まれ、心癒されるひとときをお過ごしください。

展覧会概要

展覧会名 モネ 連作の情景
会場 大阪中之島美術館 5階展示室
会期 2024年2月10日(土)〜5月6日(月・休)
開館時間 10:00~18:00 ※最終入場は17:30まで
料金 当日券 一般 2,500円 高大生 1,500円 小中生 500円
   前売・団体 一般 2,300円 高大生 1,300円 小中生 300円
前売2月限定チケット(一般のみ)2,000円/前売ペアチケット(一般のみ)4,400円  
休館日 月曜日(2月12日、4月1日、15日、22日、29日、5月6日は開館)
展覧会公式サイト https://www.monet2023.jp/

大阪中之島美術館

シネフィルチケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、「モネ 連作の情景」@大阪中之島美術館 シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上2組4名様に、招待券をお送り致します。この招待券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2024年2月26日 月曜日 24:00
記載内容
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