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世界9都市で同時開催された「ベンヴェヌート・ブルネッロ 2023」

ワイン王国

昨年11月17日にイタリア・モンタルチーノで開幕した「ベンヴェヌート・ブルネッロ2023」は、“BRUNELLO DAY”と定めた最終日28日に世界6カ国で、2019年ヴィンテージと2018年のレゼルヴァを披露した。

世界の高級ワインの一つ

「ベンヴェヌート・ブルネッロ」は毎年2月、現地に招聘したワイン関係者に次回リリースするヴィンテージを公開してきたが、コロナ禍以降、開催時期を11月に変更した。ただ、クリスマス前の繁忙期であることを考慮し、新たな路線も選択。2022年に初めてイタリアを飛び出し、英国(ロンドン)、米国(ニューヨーク、ロサンゼルス)、カナダ(トロント)の4都市で開催し成功を収めた。翌23年には規模をさらに拡大して、英国(ロンドン)、米国(ニューヨーク、マイアミ、ダラス)、カナダ(トロント、バンクーバー)、スイス(チューリッヒ)、中国(上海)、そして日本(東京)を含む、世界6カ国9都市で同時開催。プリムールの2019年ヴィンテージと2018年のレゼルヴァのお披露目を行った。

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イタリアワインのスペシャリスト宮嶋勲講師

イベントの主催者「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノワイン生産者協会」の創設は1967年で、ワインは66年にDOC、80年にDOCGの認定を受けている。総面積は3万1200ヘクタール、ブドウ畑は3500ヘクタールで、周囲に多くの森林を残した生物多様性に満ちたワイン産地である。モンタルチーノ一帯は四角錐の形をした丘で、東西南北になだらかな傾斜が続く。地質学的には複雑で、土壌は種々の地帯に分かれて入り組んでいる。208軒の生産者のうち、150軒ほどは所有畑5ヘクタール程度の規模である。1970年代にブルネッロブームを巻き起こした「バンフィ」の影響下、混合農業をしていた生産者がワイン造りに専念。近年の気候変動の好影響に加え、醸造学校などで研鑽を積んだ次世代の台頭により、小規模ワイナリーのレベルアップが顕著になり、その結果、現在のモンタルチーノは、成長・成功の時代へと変化している。
サンジョヴェーゼ100パーセントから造るワインは、“単一畑の個性を表現したタイプ”“各区画の特徴を生かした相互補完のブレンドタイプ”の二つに大別できる。ブルゴーニュ・ワインの高騰を鑑み、代替ワインとしての存在感も増している。

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サービスされた62アイテム

エレガントな2019年ヴィンテージ、陰影に富んだ2018年のレゼルヴァ

協会作成の地質図は4分割で、左上から時計回りに「北西」「北東」「南東」「南西」。東西南北に連なるなだらかな斜面、複雑に入り組んだ土壌

2部構成で行われたセミナーの第1部は宮嶋勲講師によるワイン概論。第2部では、2019年ヴィンテージ49アイテム、2018年ヴィンテージ12アイテム、2016年ヴィンテージ1アイテムの計62アイテムが8フライトに分けて供出された。各ヴィンテージについて、宮嶋講師は「2019年は10年、16年に続くグレートヴィンテージで、今の段階でもアプローチできる。日較差に恵まれ、ブドウは均一かつ緩やかに熟した。エレガントでフィネスがあり、バランスが取れている。2018年は湿気があり、夜の温度はあまり下がらず、9月後半には雨があったが、今飲むと、陰影がありデリケートで魅力的。造り手の技量が反映しているヴィンテージ」とコメントした。

第2部は8フライトに分けてテイスティング

第1フライトは米国のワイン誌『ワインスペクテイター』の「2023 TOP100」で第1位になった『アルジャーノ』や、米国市場で成功した『バンフィ』からスタート

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