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ブルゴーニュ・ワインの祭典『グラン・ジュール・ド・ブルゴーニュ』での催し「ブルゴーニュのグラン・クリュ」を味わう

ワイン王国

ブルゴーニュのグラン・クリュを横並びで味わう試飲会が3月21日、ブルゴーニュのサントネにある「シャトー・フィリップ・ル・アルディ」で開かれた。この催しはブルゴーニュ・ワインの祭典『グラン・ジュール・ド・ブルゴーニュ』の期間中のイベントとして、2年に一度ブルゴーニュ地区ネゴシアン組合(UMVGB)が開催しているもので、今回15回目。前回、2022年の試飲会で用意されたのは赤ワインが2018年、白ワインが2019年でボトルによってやや質の差がみられた。一方、今回用意された2020年産は難しいミレジムだったが、赤、白ともに完成度の高い、ブルゴーニュ・ワインの頂点を極めたもので、新鮮でピュアな香りと内容に富むゴージャスな味わいを楽しむことができた。

記憶に残るミレジムとなった2020年

ブルゴーニュ・ワインの頂点に立ち、ワイン愛好家の垂涎の的となっているグラン・クリュの畑の数は合計33。作付面積はコート・ドール地区の赤358ヘクタール、同白96ヘクタール、シャブリ102ヘクタール合わせて約556ヘクタール。ミレジムによるが、生産量はブルゴーニュ全体の生産量の1パーセント程度とわずかで、高額な価格で取引されてきたが、最近の世界的なブルゴーニュ・ワインブームの中で、1本1万円から10万円とかつての価格をさらに上回る破格な価格となっている。

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今回の試飲会を主催したUMVGB(Union des Maisons de Vins de Grande Bourgogne、アルベリック・ビショー会長)は、ブルゴーニュネゴシアン組合が2016年にボージョレーのネゴシアン組合と合併して作られたもの。会員67社がブルゴーニュ・ワインの販売の約60パーセントを扱っているほか、ブルゴーニュのブドウ畑の15パーセントを所有している。特に2000年代以降、多くのネゴシアンが最新の設備をそろえ、自家ブドウ畑を使って、最高品質のブルゴーニュ・ワインを作り出している。

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今回試飲の対象となった2020年は、コロナ禍の厳しい条件の中で多大な作業を強いられた年だが、ブドウ畑の仕事に集中した結果、記憶に残るミレジムとなった。2020年の冬は穏やかで湿った天候が続き、3月20日ころから芽吹きが始まった。その後も暖かい春の天候が続き樹の成長と開花が加速し、良好な条件下で開花が進んだ。夏は猛暑と乾燥した天候が続き、特に8月に熱波により収穫時期が早まった。乾燥によるストレスが一部のブドウ畑で見らたが、ブドウ樹は水分を確保し、品質の良いブドウを生み出す驚くべき能力があることを改めて示した。

スパークリングワイン用のブドウの収穫が8月下旬に始まり、次に赤ワイン用、9月上旬に白ワイン用の収穫と続いた。夏の熱波によりいくつかの区画でブドウに傷んだが、収穫期の天候は非常に良好で良好な熟度を達成し、酸味のバランスも良かった。また、房の健康状態が良く、手作業による選果以外は特に選別の必要がなかったので、品質の良い搾汁を使って最良の条件で醸造が行われた。2020年ヴィンテージは総じて、白ワインは非常にアロマティックで、熟した果実や柑橘の香りが特徴的。口当たりはボリューム感があり、上品な酸味があり、バランスが取れていて、全ての人から偉大なミレジムと評されている。一方、赤ワインはフルーティでスパイシーなアロマを特徴とする力強い表現力がある。構造があり、タンニンの質が素晴らしい。さらに、酸味もしっかりとしていて、間違いなく長期熟成に耐える、並外れたヴィンテージだ。

会場は「シャトー・フィリップ・ル・アルディ」

独特の色彩を持つブルゴーニュ風の屋根瓦で覆われた「シャトー・フィリップ・ル・アルディ」

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