ただ、主食一つをとっても、米やパン、麺類など種類は多く、人によってよく食べるものはまちまちです。
1週間分の献立表を作り、必要なものをそろえる
長柴さんが勧めるのは、「いつも食べているものをベースに1週間分の献立表を作り、必要なものをそろえる」こと。そうすれば、被災時でも、食べ慣れたものが食べられます。
献立は、主食、主菜、副菜、汁もの(飲み物)をなるべく入れるように考えましょう。
例えば、1週間のうちの1日の献立を、<朝食>パン(缶詰)、ツナ缶とタマネギのサラダ、インスタントスープ、果物<昼食>ミートソーススパゲティ、ブロッコリーとコーンのサラダ、野菜ジュース<夕食>アルファ米の白米、レトルトカレー、豆乳<おやつ>チョコレートクッキー――にしたとします(筆者案)。
賞味期限の近いものから食べ、食べた分を補充
家族の人数に応じて、必要な分量を考えます。3人家族なら、朝食のパンの缶詰(パン2個入り)は3缶、ツナ缶は2つ、タマネギ1個、インスタントスープ3袋、果物1~3個、という具合です。献立と必要な食材の量を書き出したら、自宅にある分を差し引いて買い足します。賞味期限を確認して、早いものから食べ、次の買い物の時に食べた分を補充します。
「足りない!」となるのを防ぐ
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献立を作るといいのは、必要な量がはっきりするため。漠然と買っていると、だいたい足りないそうです。また、献立は、最初のうちに食品を多く使い過ぎて、後から「足りない!」とパニックになったりするのを防ぐ効果もあります。
1日分、3日分、5日分…と増やしてもOK
1日3食・1週間分の備蓄が望ましいですが、7日分全てを一度にそろえるのは大変なので、まず1日分、3日分、5日分、と増やしていってもよいでしょう。
「これまで食品を備蓄していなかった人は、日常的に食べている缶詰や袋麺などを買う時に、もう1缶、もう1パック多く買うことから始めましょう」と長柴さんは勧めます。災害でなくても、体調を崩して買い物に出られない、という時の備えにもなります。
「封を切ってそのまま」も準備して!
また、非常食など、調理せずにそのまま食べられるものも、1~2日分ほど準備するといいそう。被災当日などは、とても調理ができる環境ではないためです。
長柴さんは、「栄養を考えることも大事ですが、被災した時には食欲がなくなってしまいがち。自分の好きなものを準備するとよいと思います」と話しています。
<執筆者プロフィル>
針原陽子
「防災ニッポン」編集長
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