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仙台大vs東日本国際大

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仙台大が接戦制し2年連続神宮切符!エース早期降板も、救援陣が逆転劇呼び込んだ

明治神宮大会出場を決め、笑顔でスタンドに駆け寄る仙台大の選手たち

<第14回東北地区大学野球代表決定戦:仙台大6-4東日本国際大>◇30日◇決勝◇仙台市民

「バカヤロウ、任せろ!」。仙台大1点リードの7回、1死三塁のピンチをつくり交代を告げられた4番手・ジャクソン 海投手(3年=エピングボーイズ)からボールを受け取った佐藤 亜蓮投手(4年=由利工)は、唇を噛む後輩に対しクールに言葉を掛けた。2人はプライベートでも仲が良く、ジャクソンは佐藤のことを「兄貴」と慕う。前日は先発し8回、103球を投げていた佐藤。疲れを感じさせない投球で当たっていた東日本国際大の4、5番を打ち取り、大きな雄叫びを上げた。

 明治神宮大会出場を懸け行われた、東北地区大学野球代表決定戦の決勝。仙台大が東日本国際大を6対4で下し、2年連続2度目の出場を決めた。仙台大の強みは秋季リーグ戦で防御率0点台を記録した投手陣。中心を担うのは今秋防御率0.36の左腕・長久保 滉成投手(4年=弘前学院聖愛)と、同0.30の右腕・川和田 悠太投手(3年=八千代松陰)だ。しかし今大会は川和田が肘のコンディション不良で登録メンバーを外れ、この日の決勝に先発した長久保は逆転の満塁本塁打を浴び4回途中でマウンドを降りた。

 この窮地を救ったのが、先発も中継ぎもできる佐藤と、オーストラリア代表としてU23W杯でも活躍したジャクソンの2人。前日の青森大戦では先発した佐藤が8回11奪三振無失点と好投し、最終回はジャクソンが三者凡退に抑え試合を締めくくった。決勝は点の奪い合いとなったが、6回以降は2人で0に抑えた。ジャクソンは「投げきれなかったのは悔しかったけど、大好きな先輩の亜蓮さんが抑えてくれて嬉しかった。鳥肌が立った」と7回の場面を振り返り、佐藤は「1年の時から投手陣を引っ張ってきてくれた長久保が打たれてしまった。それでも他の投手陣がつないでくれて、味方打線も逆転してくれたので、絶対に抑えたかった」と雄叫びの理由を明かしてくれた。

 好救援を見せたのは2人だけではない。長久保の後を受け4回途中から登板した須崎 雄大投手(3年=東海大市原望洋)は打者2人を抑え、5回は大学公式戦初登板となった篠塚 太稀投手(2年=千葉黎明)が直球と2種類のカットボールを駆使し無失点投球。大事な試合でデビューを果たした篠塚は「絶対的エースの長久保さんが打たれて動揺はあったけど、なんとか0に抑えて流れを持ってくることができた」と安堵の表情を浮かべた。

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 一方の打線は前日に続き集中力を発揮した。3点を追う6回に4番・坂口 雅哉捕手(3年=八王子)の2点適時打や代打・木村 泰賀外野手(1年=常磐大高高)の適時打などで4点を奪い逆転。8回には2試合連続でスタメンに名を連ねた竹ノ内 康外野手(3年=中部大春日丘)が適時打を放ち、貴重な追加点をもぎ取った。

 東日本国際大も4回に成田 大輝捕手(4年=白鷗大足利)が大学での公式戦初本塁打となる逆転満塁弾を放ったほか、阿字 悠真投手(1年=滋賀学園)や寒河江 翔投手(4年=大師)が粘投するなど食らいついた。最後までどちらが勝つか分からない、東北代表を決めるにふさわしい熱戦だった。

 仙台大は11月19日の初戦で国学院大と対戦する。昨年も同大会の初戦で当たり、3対5で敗れた相手だ。ピンチの場面で登板し、逆転打を浴びた苦い経験を持つ佐藤は「優勝するために、投げられる試合は全て思い切り腕を振る」と意気込み、ジャクソンは「もう絶対マウンドは譲りたくない」と力を込めた。神宮初勝利、そして全国の頂へ。全員の力で、大きな壁を乗り越えていく。

(取材=川浪 康太郎)

 
   

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