力投する桒江駿成（龍谷大平安）
＜秋季近畿地区高校野球大会：龍谷大平安5－0高田商＞◇29日◇準々決勝◇紀三井寺公園
龍谷大平安（京都）が4強入りを果たし、4年ぶりのセンバツ出場に大きく前進した。
高田商（奈良）の先発は1回戦の乙訓（京都）戦で2安打完封勝利を収めていた仲井 颯太投手（1年）。その仲井に対して2回表、「外中心の配球となるので、センターから逆方向に低い当たりで次のバッターに繋ぐことを意識しました」と主将の5番・山口 翔梧内野手（2年）がお手本のようなセンター返しを見せて先頭打者が出塁する。その後、1死二、三塁とチャンスを広げると、8番・廣田 和希内野手（2年）の中前適時打で1点を先制。1番・白石 力翔外野手（2年）の右前適時打などで追加点を挙げた。
「龍谷大平安さんが仲井の対策をされて、攻略されてしまった」と高田商の赤坂誠治監督。仲井は3回にも1死満塁のピンチを招き、宮武 大輝投手（2年）にマウンドを譲る形となった。宮武大は押し出しの死球を与えて1点を失ったが、その後は変化球を上手く交えて4回以降は1失点の好投を見せた。
反撃したい高田商だったが、この日は龍谷大平安先発の桒江 駿成投手（2年）の出来が良かった。直球の最速は130キロだったが、「カットボールが良いところに決まっていた」と多彩な変化球で内野ゴロの山を築き、高田商に反撃の隙を与えない。
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最後まで安定感抜群の投球を見せた桒江は5安打1四球6奪三振で完封。試合を終えた後には思わず嬉し涙を流した。
「先取点で3点取れたのが大きかった。（桒江は）連打を許さず、冷静にピッチングするような子なので、今日は良いピッチングをしてくれたと思います」と試合を振り返った龍谷大平安の原田英彦監督。畳みかけるような攻撃で先制して、投手を中心に堅い守りでリードを守り切る伝統校らしい野球ができた。
令和に元号が変わってから甲子園出場のなかった龍谷大平安だが、この勝利で翌春の甲子園出場に限りなく近づいた。センバツへの切符をより確実にすべく、11月3日の準決勝も気を抜くことなく戦うつもりだ。
（取材＝馬場 遼）
