心理学者の内藤誼人さんによる、何歳になってもイキイキと生きていくためのヒントが詰まった『老いを楽しむ心理学』(ワニブックス刊)。
老いに対するネガティブな思考が吹き飛び、前向きな気持ちになれる一冊です。
今回は、その一部をご紹介します。
挨拶で長生きできる
いつでも大らかな気持ちでいて、他の人とぶつかり合うことのないようにしましょう。だれにでも笑顔を見せ、人当たり良く接するようにしましょう。
私たちの悩みの多くは、人間関係にかかわるものです。
なので、人当たりの良さを磨くように心がけていれば、だれとも衝突することがなくなり、人間関係でのストレスを感じることもありません。そういう人は当然ながら長生きもできます。
米国ハーバード公衆衛生大学院のローラ・クブザンスキーは、1975年時点で、一度も冠状動脈心臓病になったことがない1759名の男性に、どのような人付き合いをしているのかを教えてもらいました。
それから20年後にフォローアップしてみると、323名は冠状動脈心臓病になっていたのですが、発症した人について調べてみると、人付き合いがあまりうまくできていないという共通点があることがわかりました。
人付き合いがうまくできないと、そのストレスによって心臓がキリキリしてしまいます。それが心筋梗塞や心臓発作につながるのです。
では、どうすれば人当たりの良い人間になれるのでしょうか。
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すぐできる、もっとも簡単な方法は、自分からどんどん挨拶することです。
だれに出会っても、「おはようございます!」「こんにちは!」と明るい声で挨拶をすることを心がけてください。世間話などしなくてもかまいません。「それだけ?」と思う人もいるでしょうが、明るく挨拶するだけでいいのです。挨拶をするだけでも、人付き合いはけっこううまくいってしまうものですからね。
私たちは、自分に対して挨拶をしてくれる人のことを、好きになることはあっても、決して嫌いにはなりません。挨拶をしてもらうと、自分の存在を認めてくれているように感じて、嬉しいのです。
普段から、だれにでも挨拶をするようにしてみるだけでも、あなたの印象はガラリと変わって見られるものです。
外食をしたときには、何も言わずにお金を払って立ち去るのではなく、「ごちそうさまでした」と挨拶するようにしましょう。コンビニで買い物をするときにも、店員さんには「ありがとう」とお礼を言いましょう。
「たかが挨拶一つで、何が変わるのか」と思われるかもしれませんが、どんなときでも、どんな人に対しても挨拶するようにしていると、人当たりの良さもアップします。
そして人当たりの良い人になっていくと、だれとでも親しくお付き合いすることができるようになります。人付き合いで問題を抱えることも少なくなり、いつでも幸せな気分でいられるのです。
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『老いを楽しむ心理学』の一部をご紹介しました。
人間関係を築くうえで欠かせない「挨拶」。気持ちの良い挨拶を心掛ければ、日々のストレスも軽減されるかもしれませんね!
続きは書籍でお楽しみください!