ヘッドレストの意味は「Head rest」ではない!
ヘッドレストを英語でどう書くのか聞かれたら、大抵の人が「Head rest」と答えるのではないでしょうか。
しかし、正解は「Head restraint」です。ヘッドレストはヘッドレストレイントの略語になります。「rest」なら休息ですが「restraint」は拘束。頭を拘束するものという意味です。
国土交通省が定める『道路運送車両の保安基準』に、「頭部後傾抑止装置等」というものが出てきます。頭が後ろへ倒れるのを抑止する装置、それがヘッドレストなのです。
運転席・助手席への装着が義務付けられています。
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車のヘッドレストは追突時に身体を守る
交通事故で一番多いのは追突事故
日本の交通事故の中で、最も多い事故のタイプが追突事故で全体の約1/3に当たります。
かつては「出会い頭の衝突」が第1位でしたが、追突事故は増加の一途をたどり、平成8年以降は常に追突事故が第1位です。車に乗る私たちにとって最も出会う可能性が高い事故、それが追突事故なのです。
むち打ち症は恐怖!ヘッドレストで防止を
追突事故では進行方向、つまり前後の方向に急激なG(重力)の変化が生じます。人間の体のうち、頭部は全体の1割ほどの重量をもっています。
このため、追突事故の際に頭部と胴体は別の動きをします。頭部がむちのように前後に大きく動き、首の組織を損傷します。この頸部の損傷がむち打ち症です。とくに追突された側の運転者に多く発生しています。
むち打ち症では、外傷が軽症に見えても神経に重大な損傷を及ぼしている場合もあります。事故後は頭痛、肩こり、手足のしびれ、めまい、耳鳴りなどの症状が表れます。
場合によっては何年にもわたって痛みや体調不良に悩まされることがあります。
ヘッドレストがむち打ち症を防ぐ
ヘッドレストは、追突の際に頭部が後ろへ倒れるのを防止する装置です。
これによって追突事故の際にむち打ち症になることを防止することができます。したがって、ヘッドレストの使用に際しては、その使用目的が十分に達成されるような使い方をしなければなりません。