NAエンジンと過給器付き(ターボ)は表裏一体!

メルセデス・ベンツ AMG C450 V6 ツインターボエンジン
メルセデス・ベンツ AMG C450 V6 ツインターボエンジン

自然吸気エンジンと多くの対立項を持つターボエンジンですが、過給器の有無によって2つのエンジンは非常に大きな違いを見せます。

自然吸気エンジンの性能をより詳しく理解するために、ターボエンジンについても少し解説していきたいと思います。

ターボエンジンのメリット・デメリット

そもそもターボエンジンというのは、過給器によって自然吸気エンジンの吸気の力を向上させたものです。

自然吸気と比較して、およそ2〜3倍の空気を取り込み、使用する燃料もNAエンジンより多いため、エンジン燃焼のパワーが高まります。このパワーこそがターボエンジン最大のメリットと言えます。

逆に、燃料を多く使用する分、燃費はNAに劣りますし、パワーの必要ない街乗りが多い場合は燃料を無駄に消費してしまうデメリットもあります。

また、ターボエンジンはアクセルを踏み込んでから出力するまで、過給器を回す工程を挟むため、少しのラグが発生します。

アクセルを踏んでから、遅れてドカンと来る感覚が好きだという人もいますが、アクセルレスポンスを重視する人にとってはデメリットになり得ます。

自然吸気エンジンは、以上のターボエンジンのメリットとデメリットの真逆の性能を持つということですね。

NAエンジンをターボ化するメリットはある?

パワーはどうなる?

NA車にターボが取り付けられるキットがあります。こちらを購入すれば、取り付けに必要なモノがほぼ入っているため知識や技術がある方は自分で取り付けできるようになっています。

取り付けることによって、パワーは20馬力も40馬力も簡単に上げることができます。キットは比較的安価な物が多く、簡単に取り付けできることができるのでパワーを上げたい方にはおすすめです。

車検はどうなる?

ターボを取り付けることは問題ないのですが、取り付けたことにより排気ガスが濃くなり濃度検査で規定値から外れる場合は車検に通りません。

ターボキットはアイドリングの一酸化炭素濃度は基準値以下になるように設定されていますが、標準車よりも数値が大きいので点火の状態やエアクリーナーの詰まりなどによっては基準値を上回ることがあります。

また、出力が大きくなることによりブレーキや車軸、クラッチ、ドライブシャフトなどに大きな力が加わります。事前に厳密な点検してから検査を受けることをおすすめします。 

意外と知らない?ターボ(ターボチャージャー)の仕組みや構造を解説!

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NAエンジンのチューニングの注意点

車のメンテナンス
©Zenzeta/stock.adobe.com

NAエンジンの良さとして、アクセルレスポンスが挙げられましたが、チューニングのポイントとしては、レスポンスの向上と、いかに高回転で吹かせられるかどうか、というところになるでしょう。

チューニングというのは、吸気・燃焼・排気を最もバランスの取れた状態にして、低回転ではトルクを、高回転では馬力を向上させることを目的とするものです。

そのため、高回転時の吹き上がりを良くしようと、ただマフラー径を太くするだけでは低回転時に小さい空気が太いパイプを抜ける状態になってしまい、トルクが細くなります。

エアクリーナーを交換して吸気効率を上げたり、コンピュータ(ECU)を変更してバルブの開閉タイミングを変え、シリンダー内の空燃比を調節する必要も出てきます。

注意点としては、吸気・燃焼・排気のどれか一箇所を変更しただけでは効果的なチューニングとはならないということとなります。

強化エンジンマウントでレスポンスアップ

エンジンというのは、ゴム製であるエンジンマウントで振動を抑えられています。エンジンマウントは、同時にエンジンの動力がトランスミッションに伝わる際に、わずかなロスを生じさせています。

このロスを少なくすれば、アクセルを開けた分のレスポンスがアップし、NAの醍醐味であるフィーリングをより楽しむことができます。

そこで、メーカーの販売する強化エンジンマウントを取り付けることで、多少の振動が増えることを犠牲にすれば、上記のロスを軽減できます。

振動が増えることによって不快に感じる程になるかどうかは人によりますが、フィーリングを楽しみたい!という人には、是非検討をおすすめします。