ウォーターポンプとは?何をする装置?

ウォーターポンプとはエンジン内に冷却水を循環させる装置(冷却水を送るポンプ)です。この装置がなければエンジン内に冷却水を送り込むことができず、オーバーヒートしてしまいます。
なぜエンジン内に冷却水を送り込む必要があるのでしょうか。その理由は、エンジン内では常に爆発が起こっており、エンジンを冷ます仕組みがなければ温度が上がりすぎ、エンジンやその周辺の装置を壊してしまうからです。
エンジン内部で作られたエネルギーの全てが動力になるわけではありません。使用できるエネルギーはガソリン車で40%未満であり、その他のエネルギーは損失として熱などに変換されているのです。
そのため、エンジンが暖気されると温度は100℃以上、排気温度は1,000℃近くになることも。温度が上がりすぎると物質が溶け正常に動きません。 この状態がオーバーヒートであり、そうならないようにウォーターポンプによって冷却水を循環させエンジンを冷ましているのです。
エンジンを使用している車には欠かせないウォーターポンプですが、使用年数が長くなるにつれ故障する可能性も高くなります。
ウォーターポンプの構造
ウォーターポンプはエンジン内に扇風機の羽のようなものを取り付け、その羽を回すことで水を循環させています。現在では電動式ウォーターポンプも普及されていますが、まだまだベルト駆動が一般的です。
エンジンルームを覗くとベルト(ファンベルト)が見えます。このベルトはエンジンのクランクプーリーにかかっており、ウォーターポンプのプーリーにかけることでエンジンからの動力を得ているのです。そのためエンジンが回るとウォーターポンプも作動します。
このポンプによって冷却水をエンジンとラジエーター間に循環させているのです。しかし冷ましすぎるとエンジンがエネルギーを作り出しづらくなるので、約80℃前後で保つように設定されています。
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ウォーターポンプの点検・交換

エンジンルームを開けて見ただけではウォーターポンプがどこにあるかはわからない。
ウォーターポンプを点検するためには、水漏れや異音を確認するしかありません。
クーラントは青や赤、緑などのような色が付けられています。そのためもし漏れた跡があれば、ウォーターポンプの周りにおかしな色が付いているはずです。
異音に関しては後述するので、よくある音を参考に点検しましょう。
ウォーターポンプ点検での取り外しは原則しない!
なぜ水漏れと異音、2つの点検方法しかないのでしょうか。理由としてはエンジンに取り付けてあるため、気軽に外して点検できないからです。外してしまうと冷却水が大量に出てきますし、水漏れ防止のガスケットを交換しなければなりません。
そのため、ウォーターポンプを取り外すタイミングは以下2つとなり、点検時の取り外しは行いません。
- ウォーターポンプが故障した場合
- タイミングベルトやを交換する場合
ウォーターポンプはタイミングベルト交換時に交換しよう
タイミングベルトは10万キロに1度の交換をオススメしています。そしてその間1度もウォーターポンプを交換していなければ、一緒に交換するのがオススメです。
これはウォーターポンプ本体に限った話ではなく、ウォーターポンプとエンジンの接点に水漏れ防止のガスケットを挟み込んでいるのですが、このガスケットも熱や水などによって劣化し水漏れを起こす可能性があります。
また、ウォーターポンプ単体で交換するよりも、何かの作業のついでに交換した方が工賃も安くなります。
ウォーターポンプ単体で交換、タイミングベルトと合わせて交換、どちらの場合でもエンジン回りの分解作業や周辺装置の取り外し作業が発生します。そのため、1つだけ交換するのであれば工賃は割高になってしまうのです。