ドラムブレーキの構造と仕組み

ドラムブレーキ
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ドラムブレーキはタイヤとともに回転しているドラムブレーキカバーの内側に、摩擦材を押しつけることで制動力を発生させ、車を減速させる装置です。おもに、ブレーキ負荷が少ないリアブレーキ兼サイドブレーキとして用いられています。

現在主流となっているのは「リーディングトレーリング」と呼ばれるタイプ。前後に備わった半月状の摩擦材が、擦れ合うほどより強く押し付けられる自己倍力作用により、強力な制動力を発揮します。対称構造になっているため、前進・後退ともに強力な制動力を発揮する特性はサイドブレーキとしても有効です。

ドラムブレーキを構成するもの

ブレーキシュー

ブレーキライニングをドラムに押し付けて車を止めるパーツです。使ううちに摩耗していくため、定期的な交換が必要となります。

ブレーキシューとは?寿命と交換時期や工賃などの費用も解説

ブレーキフルード(ブレーキオイル)

油圧の力によってブレーキキャリパーを作動させるためのオイル。劣化や漏れが発生するため、定期的な交換が必要となります。

ブレーキフルード(ブレーキオイル)の交換時期は?自分でできる点検方法や交換費用・工賃

ブレーキマスターシリンダー

ブレーキペダルを踏んだ力を油圧に変換する装置。整備する場合はオーバーホールが基本となります。

ブレーキマスターシリンダーの点検・オーバーホール方法|交換時期や費用は?

ブレーキホース

ブレーキオイル(ブレーキフルード)をブレーキマスターシリンダーまで送り込むホース。

ブレーキホースとは?メッシュホースがおすすめ?交換時期と車検について解説!

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ディスクブレーキの種類

アバルト595コンペティツィオーネ ブレンボ製のブレーキキャリパー
アバルト595コンペティツィオーネ ブレンボ製のブレーキキャリパー

ベンチレーテッドディスク|フロントに多く採用

ベンチレーテッドディスクとは、ブレーキディスク面の間をフィン状の中空構造にしたブレーキディスクです。空気に接する面積が拡大し、冷却を促進するメリットがあります。以前は、おもにブレーキへの負担が大きな高級車やスポーツカーに採用されていましたが、現在は安全性の高まりと車重増加により、ほとんどの車のフロントブレーキに採用されるようになりました。

ソリッドディスク|リアに多く採用

ソリッドディスクあるいはプレーンディスクと呼ばれるブレーキディスクは、ベンチレート構造を持たない中実構造の円盤です。加工しやすいことから安価なコストで製造できるのがメリット。ただし、放熱性はベンチレーテッドディスクに劣るため、おもにブレーキ負荷の少ない軽量な車や、リアブレーキに用いられます。