今では手に入らない運転免許証がある!

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車やバイクと言った乗り物で公道を走行するために必要な運転免許。免許には免許区分というものが存在しており、自動車であれば現在は普通・準中型・中型・大型の4種類があります。

この免許区分の基準は時代ごとに変化していて、同じ区分でも免許証の取得年によって運転できる種類が異なります。

免許区分の変化

自動車の免許区分の変化
自動車の免許区分の変化
出典:国土交通省

例えば自動車では、2017年(平成29年)の法改正により、普通と中型の間に「準中型」という区分が新設されました。しかし、準中型が設定される前に普通免許を取得した方は、準中型に分類される車両の一部は運転できることになります。

これを「既得権」というのですが、今回紹介するレア免許は、これに由来するものです。

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「中型車は中型車(8t)に限る」という表記

編集部が入手した「中型車は中型車(8t)に限る」の記載がある免許証
編集部が入手した「中型車は中型車(8t)に限る」の記載がある免許証

今回のトピックである激レア免許の正体はこの、「中型車は中型車(8t)に限る」と記載されている免許証。2007年(平成19年)の法改正よりも前に普通自動車免許を取得した場合、このように記載されます。

当時は準中型はおろか中型免許もなく、二輪免許と同じ普通と大型の2種類しか存在しませんでした。そのため、当時普通免許を取得していた方は、2度に渡る法改正によりこのように表記されているのです。

ちなみにですが、この免許証では有効期限が「平成33年」と存在しない年号になっているので、そういった意味でもレアだといえます。

どのような人が所有している?

この免許証は、2007年の法改正よりも前に免許を取得する必要があるため、その時点で18歳に達している必要があります。つまり、1989年以前に生まれた方ということになります。

「年齢がバレてしまうのは避けたい」という方は仮にこの記載があったとしても、人に見せないほうがいいかもしれません。

ちなみに今から免許を取得しても、現行の免許区分になるため、「中型車は中型車(8t)に限る」免許は入手できません。

現在、8トンの車両を運転するためには中型免許の取得が必要です。2021年現在、ゼロから中型免許を取得するとしたら、普通免許の取得後、2年間の運転を経る必要があります。2種類の免許の費用は概ね50万円ほど。

つまり、8トンまで運転できる免許は現在にして50万円ほどの価値があることになります。

かつては免許の取得費用も安かった

それを法改正前では普通免許の取得だけで済ませることが出来たので、当時の方はかなり得をしていると言えます。

加えて、1994年5月の道交法改正以前は、今よりも普通免許の取得費用が安く、18万円で取得できたという方もいるほど。18万円で中型免許の一部が運転できるとあれば、30万円ほど安く済んでいることに。