オルタネーターとは?

オルタネーター
Author:Andy Arthur CC 表示 2.0 / CC BY 2.0  https://www.flickr.com/

オルタネーターとは、簡単に言えば発電機のことです。エンジンの回転をオルタネーターに伝達して回して発電させます。発電した電力は走行中のクルマに必要な電力を供給、同時にバッテリーへの充電に使われます。

厳密にいえば発電機と整流器からなり、発電機で交流電力を発生させ、整流器で直流電力に変換しています。クルマを走らせるために必要な電力は交流のままで良い場合と、バッテリーへの充電などは直流に変換が必要な場合があります。

ダイナモとオルタネーターの違いとは?

昭和中期のクルマでは「ダイナモ」と呼ばれることがほとんどでした。ダイナモとは、整流器がないオルタネーター(発電機)のことです。オルタネーターの方が構造が簡単かつ高回転に対応可能で、アイドリング中もバッテリーへの充電が可能であったことから、ダイナモはオルタネーターに取って替わられました。

電力不要な車「キャブ車」

昔のクルマは、バッテリーがなくても一度エンジンさえかかれば走れたものですが、現代のクルマは、電力がないと走れません。

電子制御式になる以前は、走行に電力を全く必要としないキャブ車と呼ばれる自動車が主流でした。

車の主要装置である、燃料噴射装置、エンジン回転や出力を調整するECU(コンピューター)などは、古いクルマでは電子制御化、電気化されていませんでした。

キャブ車とは?特徴やインジェクション車との違い

(広告の後にも続きます)

オルタネーターの構造|ちょっとマニアック

オルタネーターは交流で発電し、直流に変換している

電源の種類には交流電源と直流電源とがあります。交流電源が周期的にプラスとマイナスが変化するのに対して、電気の向きが変化しないものを直流電源といいます。

家庭用の電化製品は交流電源で動作しますが、車に使われる電装品は基本的に直流電源で動作しています。

前述しましたが、古くから使われてきたダイナモは別名「直流整流子発電器」といい、単体で直流電源を発電します。これに対し、オルタネーターは交流電源を発電し直流電源へと変換する方式となります。

この構造により、オルタネーターの方が低いエンジン回転数から安定した電力供給ができるため、現在のほぼ全ての車にはオルタネーターが搭載されています。

オルタネーター

オルタネーターによる発電のしくみ

発電は、オルタネーターを構成するステーターと呼ばれるリングの内側を、ローターがエンジン動力で回転することで行われます。

ステーターとローターのそれぞれにコイル(細い電線)が何重にも巻かれ、このコイルの巻き数で発電電流(アンペア)が変わります。

つまり、30A表示のオルタネーターよりも50Aの方がコイルの巻き数が多く、より発電能力が高いオルタネーターであるといえます。

オルタネーターによる変換のしくみ

ステーターで発電された交流電源は、レクチファイアという部品を通して整流することで直流電源へと変換されます。

ダイオードとは、1方向へのみしか電流を流さない性質を持つ半導体です。その性質を利用し、プラスとマイナスの波の様な波形を持つ交流電源の、マイナスの波だけをカットすることで直流電源へと変換します。

オルタネーターによる電力供給のしくみ

ICレギュレーターは発電する電圧を一定にして供給する役割を持ちます。

エンジンの回転数が上がると、オルタネーターの回転数も上がり、発電する電流、電圧ともに増えることになります。乗用車の電装品は12V(正確には14V前後)で動作していますので、それ以上の過剰な電圧がかかると、機器を破損してしまいます。

ICレギュレーターにより、車の電装機器を安定して動作させることができるのです。