トヨタ ハリアーは、高級SUVとして人気のあるモデルです。現行モデルは2020年に登場し、2022年に一部改良(マイナーチェンジ)が行われ、同時にPHEV(プラグインハイブリッド)が追加されました。

今回は、ハリアーの納期や価格、マイナーチェンジ情報、内装、燃費、おすすめグレード、試乗時のポイントなどを、カーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが詳しく解説します。

ハリアーとは? おすすめポイントは?

トヨタ ハリアーは1997年に初代モデルが発売されました。2代目は2003年、3代目は2013年、そして現行モデルの4代目は2020年に登場しています。

その現行モデルは2022年にマイナーチェンジが行われ、同時にPHEVも追加されています。

ハリアーは上級SUVの人気車種です。ボディサイズは全長が4740mm、全幅は1855mmと余裕があるため、室内も広く、外観と内装も上質なため高級感のあるクルマです。

ハリアーは売れ行きも好調で、デビューから1年間で10万台以上を販売。コロナ禍によって納期が大幅に遅延する前の2021年には、1ヵ月の平均で約8000台が登録されました。乗用車の中でもトップクラスの販売台数です。

2024年4月の販売台数も、乗用車では10位(5278台)と上位に位置しており、ハリアーは依然として人気の高いモデルです。

ハリアーのパワーユニットは、直列4気筒2Lのガソリンエンジン、2.5Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッド、2.5Lガソリンエンジン+モーターのPHEVの3種類が用意されています。

ハリアーのおすすめポイント

・外観と内装が上質で室内も広く、大人4名で快適に移動できる

・エンジンとモーターが併用されたハイブリッド仕様は加速が静かで滑らか

・人気の高いSUVとあって、リセールバリューは高め

ハリアーの評価(良いところ、気になるところ)

総合評価 4.0 ★★★★☆

外観

3.0

★★★☆☆

内装

4.0

★★★★☆

走行性能

4.0

★★★★☆

運転のしやすさ

2.0

★★☆☆☆

乗り心地

4.0

★★★★☆

価格の割安度・燃費・維持費

3.0

★★★☆☆

〇 良かった点

・ハイブリッドは燃費が優れ、加速も滑らかで走りも満足できる

・リアシートの居住性や荷室容量にも余裕があり実用性が高い

・外観は都会的で、さらに存在感もありSUVの魅力を感じる

× 気になった点

・上級SUVとして2Lガソリンエンジンでは動力性能が不満

・低速域では、乗り心地がやや硬く感じられ、19インチのタイヤが特に顕著

・PHEVの価格は620万円で、補助金の45万円を差し引いても高価

ハリアーのボディサイズ

ハリアーのボディサイズは、全グレード共通で全長は4740mm、全幅は1855mm、全高は1660mm、ホイールベースは2690mmです。

全長 全幅 全高 ホイールベース

4740mm

1855mm

1660mm

2690mm

ハリアーのグレード展開

ハリアーのグレードは「Z“Leather Package”」「Z」「G」「S」の4種類です。パワートレインや駆動方式によってグレード展開は異なります(グレード展開は2024年5月時点のもの)。

パワートレイン 駆動方式 グレード

PHEV

E-Four

Z

ハイブリッド

2WD

Z“Leather Package”

Z

G

E-Four

Z“Leather Package”

Z

G

ガソリン

2WD

Z“Leather Package”

Z

G

S

4WD

Z“Leather Package”

Z

G

ハリアーの価格、グレード別の価格

ハリアーの新車価格は312万8000円~620万円です(2024年5月時点)。

パワートレインで分けると、ガソリン車は312万8000円~453万8000円、ハイブリッド車は411万9000円~514万8000円、PHEVは620万円となっています。

グレード別の価格は以下のとおりです。

グレード(パワートレイン・駆動方式) 価格(税込)

S(ガソリン 2WD)

312万8000円

G(ガソリン 2WD)

352万9000円

G(ガソリン 4WD)

372万9000円

Z(ガソリン 2WD)

403万8000円

G(ハイブリッド 2WD)

411万9000円

Z(ガソリン 4WD)

423万8000円

Z“Leather Package”(ガソリン 2WD)

433万8000円

G(ハイブリッド E-Four)

433万9000円

Z“Leather Package”(ガソリン 4WD)

453万8000円

Z(ハイブリッド 2WD)

462万8000円

Z(ハイブリッド E-Four)

484万8000円

Z“Leather Package”(ハイブリッド 2WD)

492万8000円

Z“Leather Package”(ハイブリッド E-Four)

514万8000円

Z(PHEV E-Four)

620万円

ガソリンエンジンのGでも価格は350万円を上回り、SUVでは高価格ですが、売れ行きは前述のとおり堅調です。

後述しますが、ハリアーは上級SUVの代表車種であり、人気も高いため、高値で売却できる点は魅力です。車両本体価格は高いですが、リセールバリューを考慮すると、買い得な車種と言えるでしょう。

ハリアーの外観

ハリアーの外観は都会的で上質です。フロントビュー、サイドビュー、リアビューの3つに分けて外観を見ていきましょう。

フロントビュー

細長く鋭い形状のLEDヘッドライトが特徴で、ハリアーのフロントフェイスを引き締めています。

またエアインテークが組み込まれたスポーティなデザインのバンパーが、SUVらしい力強さを強調しています。

サイドビュー

ハリアーのサイドビューはクーペスタイルの滑らかなルーフラインが特徴で、フロントビューと統一感のあるスポーティな印象です。

高級感と力強さを強調するため、17~19インチの大径ホイールが装備されています。

リアビュー

ハリアーのリアビューは、水平基調のシンプルなデザインで全体のバランスを保っています。またスポーティなデュアルエキゾーストが、力強い走行性能を主張します。

フロントと同様に、リアにも細長いLEDランプが配置されており、夜間でも存在感を発揮します。

ただしウインカーがブレーキランプの下側に備わり目立ちにくいため、後続車が見落としやすい点に注意が必要です。

ハリアーの内装

ハリアーの内装は、快適性と高級感を重視したデザインが特徴です。

インパネなどの各部には、本革のように上質な合成皮革が使われ、室内全体の質感を高めています。スイッチ類も立体的なデザインで、視認性や操作性も満足できるでしょう。

先進的なデジタルインストルメントクラスターと、センターに大きなタッチスクリーンディスプレイが配置されており、ナビゲーションやエンターテイメント機能が充実しています。

フロントシートには8ウェイパワーシート機能(Sを除く)があり、ドライバーの好みに合わせて調整できます。グレードによっては、メモリー機能により複数のシートポジションを記憶することができますから、運転者が複数いる場合はとくに便利です。

フロントシートはサポート性が高く、長時間のドライブでも疲れにくい設計です。グレードによっては、シートにベンチレーション機能やヒーター機能が搭載されています。

リアシートも広々としており、足元スペースも十分。PHEVにはシートヒーターが装備されており、快適性も高いです。

ハリアーの荷室

ハリアーの荷室容量(リアシート乗車時)は、PHEVが408Lで、ハイブリッド車とガソリン車は409Lです。リアシートを前倒しにすると1045Lになります(スペアタイヤ装着車)。

リアシートを倒した状態で、テールゲートからフロントシート背もたれまでの長さは1805mmです(トヨタ社内計測値)。床面は前方に向かって斜めに高くなっていますが、全体的にはフラットなので、大きな荷物も載せやすくなっています。

ハリアーの運転のしやすさ、走行性能

ハリアーのカテゴリーはSUVですが、車両の性格や雰囲気は上級指向のセダンやワゴンに近いです。

ハリアーを運転する際に注意したいのは取り回しの性能です。全幅は1800mmあり、最小回転半径は5.5m~5.7mと大回りです。また、サイドウィンドウの下端が高いので、斜め後方や真後ろの視界は良くありません。

これらの点は、ユーザーによっては運転が難しいと感じるかもしれません。購入前に試乗しながら確認しましょう。

一方で、ハイブリッドの加速感は滑らかでノイズも小さく、心地よい運転感覚です。カーブを曲がる際にはボディの重さを感じますが、安定性に不満はないでしょう。

ハリアーの乗り心地

ハリアーの乗り心地は、低速域では少し硬めですが、デザインと走りが調和して満足度は高いでしょう。

サスペンションの質も良く、路上の細かなデコボコは伝わりにくいです。ただし時速40km以下では、乗り心地が硬めに感じられ、特に19インチタイヤのZグレードに不満が伴います。

2Lのガソリンエンジンでも実用面では問題ありませんが、上級SUVとしてはパワー不足で、同乗者にとってはノイズが耳障りかもしれません。

乗り心地を重視する場合に推奨されるのは、ハイブリッドで18インチタイヤのGグレードでしょう。

ハリアーの燃費

ハリアーの燃費(WLTCモード)は、PHEVが20.5km/L、ハイブリッド(2WD)が22.3km/L、ハイブリッド(E-Four)が21.6km/L、ガソリン(2WD)が15.4km/L、ガソリン(4WD)が14.7km/Lです。

※WLTCモードとは、国際的な燃費測定方法です。WLTCモードでは、実際の運転状況に近い条件で燃費が測定されているため、従来のJC08モードよりも実用的な燃費値となっています。

パワートレイン・駆動方式 燃費(WLTCモード)

PHEV

20.5km/L

ハイブリッド 2WD

22.3km/L

ハイブリッド E-Four

21.6km/L

ガソリン 2WD

15.4km/L

ガソリン 4WD

14.7km/L

ハリアーの納期

ハリアーの納期は、ガソリンモデルが約3~4カ月、ハイブリッドモデルが約3カ月、PHEVが約4カ月です(2024年5月時点)。

ただし、グレードやオプションによって納期は異なります。そのため、購入予定のディーラーに希望のグレードやオプションを具体的に伝えながら確認することをおすすめします。

人気のあるプラチナホワイトパールマイカやプレシャスブラックパールといったボディカラーを選択し、オプションを減らすことで納期を短縮することができます。

納期が多少長くなっても、リセールバリューや満足度の向上を考慮すると、メーカーオプションなど後付けできない装備の追加がおすすめです。

ハリアーのリセールバリュー

リセールバリューの5段階評価:4点

今はSUVが人気を高めており、特にハリアーは上級車種として注目されています。現行型は2020年に発売されたため、現時点では設計も古くなっておらず、売却時の条件も相応に良いでしょう。

ハリアーのおすすめグレード

  • ハイブリッドG 2WD(411万9000円)
  • ハリアーの車両重量は1500kgを超えるため、2Lのガソリンエンジンでは、上質な外観と内装に相応しい、余裕のある走りを得られません。

    そこでパワートレインには2.5Lでモーター駆動も併用するハイブリッドを推奨します。グレードは運転席の電動調節機能や各種の装飾類を備えたGがおすすめです。

    ハリアーのマイナーチェンジ内容やモデルチェンジ予定

    マイナーチェンジの内容

    ハリアーは2022年10月にマイナーチェンジ(一部改良)が行われました。

    マイナーチェンジによる主な変更点は以下のとおりです。

  • プラグインハイブリッド車(PHEV)を新たに追加
  • 高性能バッテリーとモーターにより、一充電距離は93kmと普段使いでは十分な距離。

  • 安全機能の強化
  • トヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備。プリクラッシュセーフティには「交差点右折時の対向直進車及び右左折時の対向方向から横断してくる歩行者を検知する機能」が追加されました。

  • コネクティビティの向上
  • コネクティッドナビ対応のディスプレイオーディオを採用。12.3インチの大画面ディスプレイは「Z」「Z”Leather Package”」の2グレードに標準装備されます。また、クルマがWi-Fiスポットになる「車内Wi-Fi」はT-Connect サービスの有料オプションとして採用されました。

    モデルチェンジ予定

    2024年時点では、ハリアーは発売から4年が経過しているため、2024年から2025年にかけて、ビックマイナーチェンジが行われる可能性もあります。

    ハリアーのライバル比較

    ハリアーのライバル車は、価格が400万円前後を中心に設定されるSUVです。その中でも筆頭はおそらくマツダ CX-60でしょう。

    CX-60のXD・Lパッケージには直列6気筒3.3Lクリーンディーゼルターボエンジンが搭載されており、本革シートや大径ホイールなどが装備されたハイクラスモデルです。2WDの価格は422万4000円で、ハリアーのハイブリッドG(2WD)の価格である411万9000円に対抗しています。

    また、三菱のアウトランダーPHEVもライバル車の1つです。この車は4輪を主にモーターで駆動し、スポーティな運転感覚を提供します。最上級グレードのPは価格が602万3600円ですが、ハリアー PHEV Zの620万円に比べて約18万円安くなっています。

    ハリアーのボディカラー

    ハリアーのボディカラーは全8色です。グレーメタリックはPHEV Zグレード専用色となっています。

    ボディカラー

    プレシャスブラックパール

    センシュアルレッドマイカ

    ブラック

    ダークブルーマイカ

    スレートグレーメタリック

    プラチナホワイトパールマイカ

    スティールブロンドメタリック

    グレーメタリック(PHEV Zグレード専用色)

    ハリアーを販売店で試乗するときのポイント

    ハリアーはボディサイズの大きなSUVですので、運転のしやすさは必ず確認しましょう。販売店の試乗車で狭い裏道を走り、駐車場で車庫入れや縦列駐車も試してみてください。

    また、舗装の荒れた街中を低速で走った時に乗り心地の粗さを感じないかチェックしましょう。

    2Lのガソリンエンジンと2.5Lのハイブリッドを乗り比べて、動力性能や静粛性など、パワーユニットの違いも確かめてください。

    内装の質感やリアシートの居住性など、ハリアーのメリットとされる機能やデザインも実際に座ってみて確認しましょう。

    荷物を積む機会の多いユーザーの場合は、載せる荷物を持っていき積載性もチェックするとよいでしょう。ハリアーのようなSUVは、ミニバンなどに比べて荷室の床が高いため、荷物の積み降ろしのしやすさを確認しておくと安心です。

    【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:小林 岳夫/島村 栄二/茂呂 幸正/和田 清志】