<TOP画像:福井県のイチオシブランド魚「若狭マハタ」>

こんにちは!

たびこふれ編集部のシンジーノです。

福井県の西南部に位置する嶺南(れいなん)地区に訪れました。

この辺りは昔は若狭と呼ばれ「食」「歴史」「海」が豊かな魅力に溢れた地域です。

2024年3月16日、北陸新幹線は金沢駅から福井駅〜敦賀駅まで延伸しました。

関東圏からぐっと訪れやすくなった若狭の魅力をご紹介します。

特に「京の朝廷の台所」と言われたほど豊かな食文化が今なお受け継がれている若狭の姿をご覧ください。

目次

北陸新幹線が敦賀駅まで延伸
若狭とは
若狭グルメを堪能!ふぐとマハタと鯖は絶品
「道の駅若狭おばま」は鯖のワンダーランド
小浜湾めぐり遊覧船
殿様など賓客をもてなした別邸GOSHOEN
若狭・小浜まとめ

北陸新幹線が敦賀駅まで延伸

北陸新幹線が発着する敦賀駅の駅舎の天井の高さに驚きました。

新幹線駅舎は高さ37mで12階建てのビルに相当する高さです。敦賀要塞と呼ばれているのだとか。威風堂々としていますね。



<JR敦賀駅西口>

若狭とは

福井県は嶺南地区と嶺北地区に分かれます。

嶺南地区は敦賀市より西南を差し、敦賀(つるが)市、美浜(みはま)町、若狭(わかさ)町、小浜(おばま)市、おおい町、高浜(たかはま)町の6つの市町村からなっています。

旧地名では、敦賀は越前、美浜、若狭、小浜、おおい、高浜は若狭と呼ばれていました。



<写真提供:福井県公式観光サイト ふくいドットコム>

若狭は古くから皇室、京都朝廷の台所と呼ばれ、新鮮な日本海の海産物など豊かな食材が運ばれていました。

中でも小浜は京の都から最も近い港のひとつとして、鯖街道の起点となり、京の食文化を支えていました。

この記事では小浜を中心にその魅力をお伝えします。

小浜は京に通じる鯖街道の起点です。

静かでしっとり落ち着いていて京都の雰囲気が漂い、町歩きもおすすめです。



<京都の雰囲気が漂う茶屋街 三丁町>

品のよい大人の町という風情です。

若狭グルメを堪能!ふぐとマハタと鯖は絶品

小浜は、若狭エリアの中でも鯖街道の起点であり、小京都の雰囲気を持つ美しい町です。

その小浜市の中でも阿納(あの)地区は特に魚が美味しい所と言われています。

静かで小さな漁村という雰囲気のある集落ですが、シーズンには食を求めて多くの人々が訪れます。

今回、若狭ふぐの宿 下亟(しもじょう)で若狭ふぐと若狭マハタをいただきました。

玄関は小粋な料理宿といった風情です。引き戸を開けて中に入ると良い匂いが漂ってきました。

こちらが今回いただいた若狭ふぐ若狭マハタづくしのコースです。

ふぐは有名ですが、マハタとはどんな魚かご存知ですか。

マハタ(真羽太)とは?

スズキ目ハタ科マハタ属の海水魚でハタの代表種。クエの近縁種で、白身でありながら脂がのり、コクと旨みが豊かな高級魚。

刺身や煮つけ、鍋で食べるのがおすすめ。

こちらがマハタの刺身です。透きとおった身は締まって弾力があり、口の中でクニュクニュとあばれるほど締まりがいい。

白身とは思えない濃厚なコクで、生まれてこれまで食べてきた刺身の中でもトップクラスにくるほどの美味しさでした。

淡麗辛口の日本酒がぴったりです。福井県ブランドに認定されています。

マハタの炙り(塩味と醤油味)。こちらもしっかり歯ごたえがあり、口の中で白身魚の旨みがじゅわ~っと広がりました。

マハタは刺身や煮つけで食べるのが美味しいと言われています。

見るからにおわかりだと思いますが、煮つけも・・・そりゃもう旨い。堪りません。味付けも濃すぎず、マハタ本来の味と食感を堪能しました。

あ~生きててよかった。。。

続いて若狭ふぐ。

ふぐ皮の湯引き。コラーゲンたっぷりでプリプリです。ポン酢をかけてワシワシ食べると胃がアイドリングを開始します。

で、でた~っ。てっさ(ふぐの刺身)この透明感。美しい。。。

見るからにわかりますよね、身の弾力が。白身の王様と言われるフグ。そしてフグの王様と言われるトラフグ。

これまでの人生で何度かてっさを食べましたが、下亟のてっさがダントツ一等賞です。

そしてこの量でなんと3人前!!!

てっさは1枚1枚ちんまりと食べるのではなく、箸でごそ~っと4~5片をすくって口を大きく開けてもりもり食べます。

その方がフグの美味しさがわかります。身を口に含んで噛みながら鼻から「んふ~っ」と息を流すと白身の旨さが鼻を抜けていきます。

あ~しあわせ。。。

メニューの中でも、このてっさだけは2晩寝かせてから供されるそうです。その方が旨みが増すのだとか。

下亟のご主人が焼きふぐを炭火で焼いてくださいました。

下亟では、焼きふぐが一番人気なのだそうです。

ふぐの美味しさが一番よくわかる食べ方だから、と仰っていました。

この厚み。恐るべし。品がよく澱みない洗練された味。まさしく白身魚の王様です。



ふぐの唐揚げ。こちらも美味。サクっと揚がっていて油っこくありません。



最後はふぐ鍋、そしてぞうすいです。

鍋の出汁はふぐのあらから取られており、ふぐの旨みが詰まっています。

お米も下亟の自家製米。あ~もう食べられない。

マハタとふぐに溺れてしまいそうなしあわせな夜が更けていきました。

下亟は自分の宿で、ふぐとマハタを養殖しておられます。

だから、安定的に一番良い状態のふぐやマハタを提供できるのだそうです。

同行した小浜在住の方も「ふぐとマハタはここ下亟でしか食べません」と断言されていました。

私もここのマハタとふぐの味は一生忘れないだろうと思いました。

若狭ふぐと若狭マハタづくしのお値段は13,750円。

1泊2食でのご提供の場合:18,150円〜(税込):お部屋のグレードによって料金が異なります

この内容でこのお値段は決して高くはないと感じました。

>>若狭ふぐの宿 下亟の公式サイトはこちら

鯖街道定食

翌日のランチは、小浜湾沿いの地産地消レストラン「濱の四季」でいただきました。

こちらでいただいたのは・・・



ずばり、鯖街道定食(1,800円)

左上から、しめ鯖、鯖の醤油干し、へしこ(鯖を塩漬けにして更にぬか漬けにした若狭の特産品)、わかめ汁、くみたま豆腐。

鯖に脂がのっていて美味しかったです。へしこはごはんの最強の友。しっかりご飯をお代わりして、最後はお茶漬けにしていただきました。

わかめたっぷりの味噌汁。そしてくみたま豆腐も人気だそう。豆腐の味がしっかりした昔の濃い豆腐を思い出しました。

>>お食事処 濱の四季公式サイトはこちら

「道の駅若狭おばま」は”鯖のワンダーランド”

全国に数ある道の駅。

ここ「道の駅若狭おばま」は、そんじょそこらの道の駅とは違っていました。

それは“鯖”に特化しているという点です。

玄関ののれんがモロ鯖です笑。

う~ん、潔い。これくらい突き抜けなきゃいけませんね。

内部はまるでテーマパークのようでした。





なんと、UFOキャッチャーならぬ鯖キャッチャー笑。

ただこの獲物(鯖)、とっても捕まえにくそうでしたが。。。



商品の展示も美しい。まるで鯖缶のミュージアムのようです。



鯖、鯖、鯖。醤油を入れるミニボトルがライトになっているのも面白い。



小浜といえば焼き鯖すしが名物です。帰りの新幹線で食べる為にしっかり買いました。



道の駅若狭おばまは鯖がメインですが、もちろん鯖以外にも小浜ならではの品物(醤油干しの魚干物、小鯛ささ漬、地元野菜、お菓子、若狭塗箸まで)も揃っています。

道の駅若狭おばまオリジナルのプリン、どら焼き(さばどら)、根昆布だしなどもあり、売れ行きも好調なのだとか。



小浜に訪れたら必ず寄るべき道の駅です。

>>道の駅若狭おばまの公式サイトはこちら

小浜湾めぐり遊覧船

小浜湾を巡る遊覧船に乗りました。

本来は外洋に出てダイナミックな蘇洞門(そとも)巡りをする予定だったのですが、波が高く小浜湾の中を遊覧するコースに変えて乗船しました。

出航地は小浜港に近い若狭フィッシャーマンズワーフです。

こちらの船に乗船しました。

船内の様子。

2階はデッキになっていて風を浴びながら遊覧を楽しむことができます。

私も乗船中はほとんどデッキにいました。

小浜湾めぐりコースの所要時間は約60分。



いざ出航!

外海が荒れているとは思えないほど、波は穏やかで静かでした。

遊覧中は周りの建物や養殖している様子など案内してくれる放送があります。

小浜湾は深く内部に入り組んでおり、湾といっても想像以上に大きな海でした。

この日は天気も良く、海面がキラキラと光ってとてもきれいでした。

外海に近くなると荒々しい断崖絶壁が現れます。

外海近くはかなり波が立っており「あぁこれでは外海には出られないな」と納得しました。

さすが荒海日本海、侮れません。

湾内遊覧でしたが、時間もたっぷりあって、海と入り江の美しさを楽しめました。

>>若狭フィッシャーマンズワーフ公式サイトはこちら

殿様など賓客をもてなした別邸「GOSHOEN」

護松園(ごしょうえん)は江戸時代、小浜を拠点に活躍した北前船の豪商「古河屋」の五代目がお殿様など賓客などをもてなすために建てた建物で「古河屋別邸」と呼ばれていました。

近年は荒れ果てていましたが、箸を製造している会社「箸蔵まつかん」が買い取って「みんなの別邸」として生まれ変わらせました。無料で公開しています。

「みんなの別邸」というコンセプトは、みんなが気軽に集える場所作りを通じて「100年先も続く豊かで優しい暮らし」を目指しているのだそうです。



<GOSHOENの外観>



<GOSHOENの玄関>

高級料亭や旅館のような佇まいです。







<みんなのリビング>

園内にはリビングルームやカフェがあり、ゆっくりくつろぐことができます。

箸蔵まつかんの箸も販売しています。



<みんなのリビングから庭を眺める>

母屋の隣にある蔵の中はミュージアムとなっています。

GOSHOENは入園無料です。

近所の小学生たちが放課後、遊びにきてゲームとかしたりしてるらしいです(Wi-Fiあり)。

箸蔵まつかんのご主人は、この場所を次のような場にすることを目指しておられます。

地域の魅力創造
担い手の発掘、育成
地域の交流
協創器械の創出
作り手と買い手の交流
箸文化の発展
情報発信

利益目的ではなく、地域のためにみんなのためにという姿勢にとても感銘を受けました。

まだあまり知られていないらしく、小浜に訪れる際にはおすすめです。

>>GOSHOEN公式サイトはこちら

若狭・小浜まとめ

小浜はとっても素敵な町でした。

町の佇まいに風情があります。実際小浜は福井市に行くより京都に行く方が近いそうですから、京都の雰囲気も漂っています。

京の朝廷に日本海の恵みを届け、北前船では日本各地の食物、文化が運ばれ、昔はさぞかし栄えたことだろうと思われる様子があちこちに見られます。

今は静かな人口3万人ほどの町ですが、京都の街なかのように観光客でごった返すということもなく素敵な写真を撮ることができます。

そして何より小浜の魅力はの豊かさ。

日本全国に新鮮な魚を食べさせてくれる場所はたくさんあります。

地元の方が仰っていましたが、若狭エリアの優れている点は「水産加工技術の高さ」だそうです。

冷蔵庫のない時代、魚を京まで美味しい状態で運ぶにはどうしたらよいかを試行錯誤しながら工夫してきました。

その中のひとつが「若狭の一汐(わかさのひとしお)」

日本海の魚を京まで運ぶのに最短でも約1日かかったそうです。

京に着く頃に一番美味しい状態になっていることを想定して振る塩加減の絶妙さ、これが「若狭の一汐」です。

今でも京都では「若狭もの」と言われ高級料亭で珍重されています。

その他、へしこ、なれずしなどの発酵食品も秀逸です。

やはり小浜の一番の魅力は「食」でしょう。

北陸新幹線の敦賀駅延伸でここ若狭エリアの注目度も上がることでしょう。

北陸新幹線の最果ての聖地で感じる旅のチカラ。

通学途中の女学生。いい感じですね~

車窓から見える若狭の風景。品を感じますね。



敦賀、若狭では「青々吉日」の絶賛キャンペーン中です。

この地域のカラーイメージは「青」

なんだかいいことありそうな、敦賀、若狭エリアへぜひ一度お出かけください。

>>青々吉日公式サイトはこちら

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