「中国製の最新攻撃ヘリ」その驚くべき光景 海外初展示を見てきた! そこまで “国産化”できるのか!

シンガポールで開催された航空ショーに中国軍が導入を進める最新の攻撃ヘリコプターが初めて国外展示されました。しかも実機だけでなく搭載兵装まで披露。なかにはアメリカ製「アパッチ」すら凌駕する性能まで垣間見えました。

堅実な設計思想を表す外観デザイン

 2024年2月20日よりシンガポールで開催されている「シンガポール航空ショー2024」に、中国が独自開発した国産攻撃ヘリコプターを出展し、注目を集めています。展示されたのは、CAIC(昌河飛機工業公司)が開発・量産するZ-10で、同機が中国本土以外で展示されたのは今回が初になります。

 Z-10は2003年に初飛行し、2010年頃より陸軍部隊で運用が始まりました。今回、展示された機体は、その中の最新モデル「Z-10ME」です。

 乗員は2名で、コクピットは機体前部に前後に並んで設置(タンデム式)されており、後席は前席に視界が遮られないように段差を付けて高く設置されるなど、全体的なレイアウトは既存のAH-1S「コブラ」やAH-64「アパッチ」などと一緒です。

 機首部分には光学・赤外線センサーとレーザー目標指示装置、それにターレット式の25m機関砲を装備しています。また、別のセンサーとして、ローターマストの頂部にはドームがあり、その内部には探索と兵器誘導用のレーダーが収納されています。

 ミサイルなどの兵器類は、胴体中央部の左右にあるスタブウイング(小翼)に吊り下げて搭載可能で、そのためのハードポイントも左右合わせて4か所用意されています。胴体は正面から見ると非常に細いデザインになっています。これは、正面から相手から攻撃を受けた際に、被弾や目視される面積を最小限にするための工夫です。

 このようにZ-10は、先行して誕生した各国の攻撃ヘリコプターとよく似たデザインです。しかし、それはコピーといった単純なものではなく、いわゆる「攻撃ヘリコプターのセオリー」に寄り添った結果であり、翻ってみるとZ-10は保守的ともいえる標準的な攻撃ヘリコプターといえるでしょう。

 しかし、よく見てみると、同機には欧米の攻撃ヘリにはない、中国製らしい特徴もありました。

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「アパッチ」に負けてない? 使える兵器は多種多様

 Z-10の一番の特徴は、その搭載兵器も中国製だということです。しかも、バリエーションは豊富で、他国の攻撃ヘリコプターと同等か、それよりも高性能なものまであります。今回の「シンガポール航空ショー2024」でも、それをアピールするかのように複数の展示用摸擬弾がZ-10の周辺に置かれていました。

 展示されていた兵器は、空中炸裂式のロケット弾FS70B、レーザー誘導方式のロケット弾GR5、空対空ミサイルTY-90、25m機関砲弾などでしたが、中でも目を引いたのは、精密誘導式の対地ミサイルCM-502KGでしょう。

 射程の長い誘導ミサイルは、敵の反撃を受けずに攻撃できる兵器として、攻撃ヘリコプターには定番の存在といえます。たとえば、アメリカ製のAGM-114「ヘルファイア」は、攻撃ヘリコプターやUAV(ドローン)に搭載可能な対地ミサイルで、その最新モデルは射程9kmと言われています。しかし、前出のCM-502KGはその3倍近い25kmもの射程を誇るそうです。

 近年、対空ミサイルやセンサーの発展によって、低空を飛ぶ攻撃ヘリコプターは撃墜される可能性が高くなっています。ゆえに攻撃ヘリコプターは、その対策と新たなニーズとして、無人機との連携や長射程の攻撃兵器の搭載に舵を切っています。

 アメリカ陸軍も、AH-64シリーズの最新モデルであるAH-64E「アパッチガーディアン」で、最大射程30kmのイスラエル製対地ミサイル「スパイクNLOS」が適応するか、試験中です。