まさかの「新型GT-R」登場の前触れか? 日産公式が「R32 GT-R」を大胆に改造!? 次期型期待の「極秘」プロジェクトとは

日産を代表するスーパースポーツカー「GT-R」のデビューから15年以上が経過しました。そんななか、次期GT-Rの行く末を予感させるプロジェクトが、日産自らの手で進められています。ご先祖であるR32型「スカイラインGT-R」のEV化計画です。次期GT-Rとどうつながる話なのでしょうか。

旧車を電動化するプロジェクト、しかしその詳細は「極秘」!?

 2023年10月、かつての「東京モーターショー」から実に4年ぶりに開催される新生「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)」。国内外の自動車メーカーから、さまざまな近未来のクルマが発表・展示される見込みですが、なかでも注目なのは日産です。
 
 そう考えるのは、次期型の登場待たれるスーパースポーツカー「GT-R」の今後の姿が見えてくるのでは、と思わせる「極秘プロジェクト」が、2023年春からひっそりと進んでいたからなのです。

 2023年3月、日産は公式SNSにおいて、BNR32型「スカイラインGT-R」(以下、R32 GT-R)のバッテリーEV試作車製作プロジェクト(以下、♯R32EVプロジェクト)を発表しました。

 R32 GT-Rは、1989年に誕生した8代目「スカイライン」をベースに、16年ぶりにGT-Rの名称を誕生させました。

 最高出力280馬力を誇る2.6リッター直列6気筒「RB26DETT」ツインターボエンジンと電子制御4WDを組み合わせ、当時国産車最高峰といわれた高性能モデルで、今も根強い人気を誇っています。

 そしてこのプロジェクトは、ハッシュタグ「♯R32EV」とともに日産の公式SNS上で進捗を報告中です。

 ちなみに2023年9月現在で、Vol.9まで公開されています。

「旧車のパワーユニットをコンバートする」と聞いて思い出すのは、♯R32EVプロジェクト発表の2か月前となる2023年1月に行われた「東京オートサロン2023」です。

 会場の「TOYOTA GAZOO Racing」ブースに出展された、1980年代のトヨタ製小型スポーツカー「スプリンタートレノ」をベースに水素燃焼エンジン車となった「AE86 H2 Concept(水素エンジン車)」と、同じく古い「カローラレビン」をバッテリーEVにした「AE86 BEV Concept(電気じどう車)」の姿は、来場者に大きなインパクトを与えました。

 この2台は、ただエンジンを電動パワートレインに載せ換えてみただけでなく、マニュアルミッションと組み合わせてサーキットを走れるレベルにまで造り込まれており、当時クルマ好きの間で大いに話題となっています。

 日産はこの♯R32EVプロジェクトを始めたきっかけについて、3月28日のVol.1で次のように説明します。

「GT-Rに憧れて入社した技術者の『最高に好きなクルマに、いま自分が関わる最新の電動化技術を載せて、もっとワクワクするクルマを造りたい』という思いから始まりました」

 もともと日産には「日産名車再生クラブ」という旧車をレストアするサークルがありましたが、「復刻」が目的の名車再生クラブとは違い、今回のR32EVは「最新の電動化技術」を織り込むという大規模なプロジェクト。

 つまり、相当なマンパワーと予算がかけられていると考えられます。

 そこで本件について日産広報部へ取材をしようと問い合わせたところ、本件は「超」極秘プロジェクトのため取材NGだといいます。

 そんな厳戒態勢を目の当たりにして、むしろ筆者(河馬兎)の好奇心がかき立てられました。

 日産はR32をBEV化した先で、何を狙っているのでしょうか。

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名車「R32 GT-R」に最新の電動駆動4輪制御システム搭載か!?

 日産は4月6日に投稿した♯R32EVプロジェクト Vol.3において、試作工場内に置かれたR32型スカイラインGT-Rの姿を公開しています。

 そこでは、エクステリアやインテリア、エンジンルームを3Dスキャンする姿が映されています。

 30年以上まえのクルマであるR32 GT-Rですが、さすがに日産社内でデジタル図面が全くないはずはなく、なぜエンジンルームだけでなく、内外装まで3Dスキャンが必要だったのかは謎です。

 ちなみにAE86 EVコンバートでは、エクステリアは変更せず、ステッカーチューンだけ。インテリアもバッテリーや水素タンクを積むために改装していた程度でした。

 この点についてSNSでは、「このR32がサンプルで、もう1台をゼロから起こすのでは」という声や、「コンバートと同時にカスタムも施すのでは」「コンバートと同時にヘリテージ用のパーツ製作もするのか!?」というコメントもありました。

 その後の♯R32EVプロジェクト Vol.5以降では、ハンドル、シフトレバー、インパネ、シートなどの取り外しから始まり、内装もバラバラに剥ぎ取られています。

また最新の♯R32EVプロジェクト Vol.9(9月14日公開)では、遂にR32 GT-Rの魂の源といえるRB26DETTエンジンが降ろされていました。

 ここからはあくまでも筆者の予想ですが、日産は、駆動系はオリジナルを残したAE86のEVコンバージョンとは違い、このR32 GT-Rに、日産最新の電動化技術「e-4ORCE」を搭載するつもりなのではないでしょうか。

 e-4ORCEは、歴代GT-Rなどが培ってきた4WD技術やシャシ制御技術に電動化技術を組み合わせ、駆動力を自在にコントロールするという、電動駆動4輪制御システムを指します。

 現在はSUV「エクストレイル」やBEVの「アリア」に搭載されています。

 3Dスキャンをした理由は、クルマの外観を変えずに、高容量の駆動用バッテリーや駆動用モーターを積むため、詳細なサイズ計測が必要だったのでしょう。

 ファンとしては、やはりR32 GT-Rからは、RB26DETTエンジンの「RBサウンド」が聞こえてほしいところです。

 しかし日産ならば、ベース車のエンジンからサンプリングしたサウンドを、スピーカーを通して車内に流す、といったことも余裕でやってくるはず。

 SNSでは「R32EVとAE86EVの対決が気になる」といった声もあります。

 是非ともマニュアルミッションも残しながら、仕上げていただきたいところです。

 このEV化されたR32 GT-Rがいつ完成するのか、そしてどのようなお披露目となるのかについて、今のところ日産から公式な発表はありません。

 ただこのタイミングや、やけに厳戒態勢となっている状況からみて、今秋のジャパンモビリティショーの日産ブースに出展される可能性は少なくないでしょう。

 ひょっとするとこのR32EVと同時に、次世代の新型「電動」GT-Rが並んで登場する、といった熱いサプライズもあるかもしれません。

 日産はやはり、GT-Rを将来的にバッテリーEVのスーパースポーツカーにするつもりなのだと筆者は予想します。

※ ※ ※

 現行型R35型GT-Rのプロトタイプが登場したのは、2005年の第39回東京モーターショーでした。市販仕様はその次の2007年10月に、やはり東京モーターショー会場でデビューしています。

 はたして2023年のジャパンモビリティショーで、次期GT-Rの姿を垣間見ることができるのでしょうか。

 今後の動向に期待したいところです。