
カーナビでテレビを見ているとき、クルマを発進させたと思ったら、途端に「音声のみでお楽しみください」と表示され映像が消されてしまいます。その機能をキャンセルする装置が存在しますが、これは付けても問題無いのでしょうか。
カーナビでテレビを見るキャンセラーは道交法的に問題なの?
クルマの走行中はカーナビでテレビを見ることやナビ操作ができません。
しかし、そのロックを外してしまう装置が「カーナビキャンセラー」ですが、取り付けるのは法律的に大丈夫なのでしょうか。
カーナビでテレビを見ているとき、クルマを発進させたと思ったら、途端に「音声のみでお楽しみください」と表示され映像が消されてしまいます。
あるいは、いったん走り出すとカーナビはボタン操作も受けつけないので、目的地を変えたいときに不便を感じたことのある人も多いでしょう。
こうしたカーナビの制限を解除できる装置がカーナビキャンセラーですが、ほかにテレビキャンセラーやナビキットなどとも呼ばれています。
純正のカーナビは、システムがパーキングブレーキや速度を検知してクルマの状態をみており、走行中と判断すればテレビ画面やオーディオ映像を映さない仕組みです。
この走行中の状態を、パーキングブレーキが引かれているなどの信号を発信することで、クルマが停車しているとシステムに認識させるのがカーナビキャンセラーです。その結果、ドライブ中でもテレビなどが見られるのです。
多くのカーナビキャンセラーは、スイッチを操作すればカーナビの制限を解除できるようです。
とはいえ、そもそも走行中にカーナビに映像が映らない仕様になっているのは安全のためのはずです。
道路交通法70条の安全運転の義務には次のように定められています。
「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」
つまり、走行中にカーナビ映像を見たり操作すると、わき見運転やながら運転とみなされ違反にあたります。
では、なぜカーナビキャンセラーが販売されているのでしょうか。取り付けて使うことに問題はないのでしょうか。
実は、カーナビの制限を外すこと自体は違法ではありません。
道交法で定めているのはドライバーの行為であって、同乗者についてではないのです。同乗者は、クルマの走行中でもテレビを見たり、カーナビを操作したりしても違反には問われません。
したがって、同乗者がカーナビキャンセラーを使う分には問題なく、言い換えるとカーナビキャンセラーは同乗者のための商品となり、実際に市販されているもののほとんどは、同乗者用とうたっています。
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ナビキャンセラーはどこで付けられるの?
カーナビキャンセラーを取り付ける場合は、作業が複雑になりがちなので、業者に依頼するのが良いかもしれません。
では、依頼先を具体的にみてみましょう。
まず、ディーラーに依頼する場合ですが、カーナビキャンセラーが取り付けできないケースがあるので注意してください。
首都圏内のホンダのディーラーでは「当店ではナビキャンセラーの取り付けを行うことはできません」と話します。
一方で、トヨタのディーラーでは次のように話します。
「トヨタの製品にテレビキットというものがあります。
型番が適用しているクルマ、もしくは自動ブレーキが装備されているクルマなど条件はありますが取り付けを行うことは可能です。
また、運転中にテレビが見れるようにしたり操作も可能にしたりなどの仕様によって部品は変わります。料金としては製品代と作業代込みで3、4万円になります」
ディーラーは安全性を優先するためですが、そもそもディーラーオプションのカーナビがカーナビキャンセラーに対応していなければ取り付けは不可能です。
とはいえ、全てのディーラーがそうというわけではなく、時代に合わせて取り付けに対応するところもあるようです。
また、カー用品店では、カーナビ本体を購入すれば同時にカーナビキャンセラーを取り付けることが可能です。
なお、一口にカーナビの制限を解除するといっても、カーナビ本体によってどの機能が外せるのかが異なります。
※ ※ ※
クルマの走行中でも、テレビを見たりナビを操作したりできるようになるカーナビキャンセラー。
決してドライバーのためではなく、同乗者が快適に過ごすためのものと心得て安全に使用することが大切です。