クルマのベルトに付いてる「丸いボタン」の正体は? 意外な役割が隠されていた? シートベルトの驚くべき事実とは

シートベルトに備わる「丸いボタン」は、クルマに乗る人にとって少しうれしい役割を持っているようです。

シートベルトはクルマを引っ張れる!?

 シートベルトはあまりに身近すぎて意識することはないかもしれませんが、実はさまざまな機能が搭載されています。
 
 そのなかでも、ベルトに備わる「丸いボタン」は、クルマに乗る人にとって少しうれしい役割を持っているようです。

 シートベルトは、1969年4月以降に販売されるすべてのクルマに設置することが義務付けられているものです。

 2008年6月からは後部座席も含めたすべての座席で走行中の着用が義務化されるなど、クルマに乗るすべての人の安全を守る重要な部品となっています。

 ただ、あまりに身近な存在であるために、シートベルトの歴史や機能について詳しく知っているという人は少ないかもしれません。

 シートベルトの原型は1900年代初頭にはあったと言われていますが、現在広く使用されている3点式シートベルトが登場したのは1959年のことでした。

 ボルボの技術者であったニルス・ボーリンによって開発された3点式シートベルトですが、「安全は独占されるべきではない」と考えたボルボがその特許を無償公開したことで、世界中の自動車メーカーが採用することになりました。

 それ以来、シートベルトの基本的な構造は現代でも大きく変わることはありません。

 一方、強い衝撃が発生した際にはベルトがロックして乗員の身体をシートに固定する「緊急ロック式巻取り装置(ELR)」の搭載が1987年に義務化。

 現在ではほとんどのクルマにエアバッグ連動型のシートベルトが採用されているなど、その機能は着実に進化しています。

 また、シートベルトの規格や性能は日本産業規格(JIS)によって厳格に規定されています。

 たとえば、腰部のベルトは26.7kN以上の引張強度を持つことが義務付けられています。

 これは、一般的な乗用車をけん引することができるほどの強度であり、非常に強いものであることがわかります。

 同様に、耐熱性や耐寒性、耐食性、劣化性能などについても厳格な規定が存在しています。

 一方、色についての指定はないため、一部のモデルではメーカーオプションとしてシートベルトのカラーを変更することも可能です。

 特に、スポーティなイメージの強いモデルでは、赤いベルトが標準装備とされていることもあるなどインテリアのアクセントに一役買っています。

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謎の「丸いボタン」にはどんな役割がある?

 そんなシートベルトをよく見ると、ベルトの一部分に小さな丸いボタンのようなものが備わっていることがわかります。

 言われなければ気が付かないほど小さなものですが、実はクルマに乗る人にとって少しうれしい役割を持っています。

 この丸いボタンは、「タングストッパー」や「ストッパータング」などと呼ばれます。

「タング」とはバックルに差し込むT字型の金具を指しており、その形が舌に似ていることから英語の「Tongue(舌)」に由来しています。

 タングストッパーは、その名のとおりタングを留めるためのものです。

 シートベルトを装着する際にはタングを手にとってベルトを引き出し、そのままバックルへと差し込むというのが一般的です。

 その際、タングストッパーがないとベルトがスルスルと巻き戻ってしまい、うまく引き出すことができません。

 もちろん両手を使えば問題なく装着できますが、やや面倒であることは言うまでもありません。

 些細なことではありますが、毎日のようにクルマを利用するユーザーであればあるほど、このタングストッパーの恩恵は大きいと言えそうです。

 タングストッパーは、強い衝撃や劣化によって取れてしまうことがあります。

 取れたままでも安全性能が変わることはありませんが、わずかな金額で購入することができるため、できる限り修復しておくことをおすすめします。

※ ※ ※

 タングストッパーはあまりにマニアックな部品であるため、販売店などには在庫がない場合もあるようです。

 そのため、一部には手芸用のボタンや安全ピンなどで代用するユーザーもいるようですが、安全面や機能面を考えると、できる限り純正品を使用するようにしましょう。