関東最南端の「駅」って? 鉄道通らず開業90年 いまや東京・千葉へ直結

関東最南端の鉄道駅があるのはJR内房線ですが、実は、そのさらに南にも「駅」があります。いまや房総半島最南端部から東京へ直通する拠点ともなっている「自動車駅」は、開業から90年を迎えました。

あれ、駅はないけど……

 関東最南端の野島崎がある千葉県南房総市白浜地区。この周辺のバス停では、「安房白浜駅」という表記をよく見かけます。館山や関東最南端の鉄道駅である千倉を通るJR内房線からも大きく離れていますが、この白浜には「駅」があるのです。

 ジェイアールバス関東と館山日東バスが乗り入れる白浜の市街地中心部のバスターミナルが、「安房白浜駅」を名乗っています。地域の路線バスのほか、東京直通の高速バス「房総なのはな号」や、千葉直通の「南総里見号」も発着しています。

「駅」を名乗るのは、もともと鉄道省(後の国鉄)が開業した「自動車駅」のひとつだからです。かつては鉄道駅と同様の機能を有し、鉄道のきっぷも販売していました。開業は1933(昭和8)年と古く、90年の歴史を有します。

 こうした自動車駅は各地にありましたが、発券の機能などが失われ、単なるバス停と化したところも少なくありません。そうしたなか、ここは2017年にリニューアルされ、いまも窓口でバスの乗車券などを販売しています。

 なお、乗り入れるバス路線はかつて全てJRバスでしたが、現在は大部分が館山日東バスに移管されています。2000年代に登場した高速バスの「房総なのはな号」はJRバスと日東交通の共同運行であるものの、「南総里見号」は日東交通とちばシティバスの共同運行であるなど、JRと無関係の路線も発着するようになりました。

 現在、安房白浜駅は北側の白浜コミュニティセンターと一体化され、高速バス利用者向けのパークアンドライド駐車場も確保されています。安房白浜駅から東京駅までは、おおよそ3時間で結ばれています。