MTあり! 爆速「ランエボミニバン」あった! 斬新サンルーフ採用の三菱「シャリオ リゾートランナーGT」とは

3列シートのミニバンといえばファミリーカーの代表格ですが、なかにはヤンチャな走りの性能を有するモデルもありました。4WDターボ搭載の三菱「シャリオ リゾートランナーGT」もそんな1台です。

「リゾート」までひとっ飛び!? 名機「4G63」搭載の爆速ミニバンとは

 かつて三菱がラインナップしていた3列シートミニバン「シャリオ」には、2リッター「4G63」型ターボを搭載したモデルが存在していました。
 
 これは当時、世界ラリー選手権(WRC)に参戦していた4WDスポーツセダン「ランサーエボリューション」譲りの高性能パワートレインだけに、かなり異色の存在といえます。どのようなクルマだったのでしょうか。

 シャリオは、世界的に見てもかなり早い段階の1983年にデビューした、3列シートミニバンの先駆け的存在です。

 1991年には2代目にフルモデルチェンジ。初代よりもボディサイズを拡大したことで、使い勝手や居住性を向上させました。

 ノーマルルーフ仕様に加え、フロント部にガラスルーフを備えたハイルーフ仕様「リゾートランナー」や、複数のガラスルーフを加えた「クリスタルライトルーフ」仕様なども設定し、室内の広々感も高めています。

 パワートレインは、2リッター直列4気筒ガソリンエンジンを基本に、排気量を拡大した2.4リッター版や、2リッターディーゼルターボなど、幅広い選択肢を用意しました。

 そして1995年、最高出力230psを発揮するハイオク仕様の高性能版、2リッターDOHCインタークーラーターボを搭載した「リゾートランナーGT」が追加設定されています。

 駆動方式はフルタイム4WDのみの設定で、4速ATに加え5速MTも選択できるなど、まさに「ランエボミニバン」と呼ぶにふさわしい仕様となっていました。

 屋根まわりはガラスルーフ付きの開放的な仕様とされ、単に走りだけを追求したハードなモデルという訳ではないのもまた面白いところです。

 ファミリーカーとしては極めて異質な路線ゆえ、カーマニアなどからは大いに注目を集めましたが、わずか2年ほどで生産を終えています。

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 シャリオはその後、1997年にフルモデルチェンジを実施。

 ボディサイズをさらに拡大したことで3ナンバー車となり、上級移行したことを表すかのように、車名も「シャリオグランディス」へ進化し、3リッターV型6気筒仕様などもラインナップしています。

 一方で、シャリオ リゾートランナーGTのようなヤンチャなキャラクターの高性能仕様は影を潜めてしまい、残念ながらその後も登場することはありませんでした。