ベンチュリ チャレンジ400は、ル・マンにも挑戦したフレンチ スーパースポーツだった【スーパーカークロニクル/043】

1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、ヴェンチュリ チャレンジ400だ。

ヴェンチュリ チャレンジ400(VENTURI CHALLENGE 400:1992-1993)

フランスのスポーツカーメーカーのMVS(フランス語で「スポーツカー製造会社」の略、1985年設立)は、MVSヴェンチュリ→ヴェンチュリと社名を改名するなど紆余曲折を経ているが、21世紀に入ってからはEVメーカーとなって今も存続している。2018〜19年はフォーミュラE選手権にも参戦していた。

そんなヴェンチュリ社が、1992年のパリ モーターショーで発表した「チャレンジ400」は、当時ラインアップしていたミッドシップ スポーツカーの210(210psの2.5L V6搭載)および260(260psの2.8L V6ターボ搭載)をベースにしているが、両サイドの大きなエアインテークや巨大なリアウイングなど、かなり過激にモディファイされている。

パワーユニットはPRV(プジョー/ルノー/ボルボ)が共同開発した3L V6だが、シリンダーヘッドはDOHC化されている。しかも、各バンクにターボチャージャーとインタークーラーを装着し、最高出力は400ps、最大トルクは49.0kgmを発生。公称の最高速は350km/h。このパワースペックは、まさに「チャレンジ400」という名にふさわしい。インテリアも実戦仕様といった感じで、コクピット内はロールケージで覆われ、シートはフルバケットタイプに5点式フルハーネスも備わる。カーボン製のインパネにサイドウインドーはアクリル製のスライド式と、まさにスパルタンそのものだった。

チャレンジ400は75台ほどが限定生産された。また、ヨーロッパではF1グランプリの前座レースを含めた、ワンメイクレースのシリーズ戦も展開された。日本にも数台が輸入され、ナンバーを取得して公道を走行している。1993年のル・マン24時間レースには、チャレンジ400をベースに最高出力を500psにまでパワーアップした「LM500」というマシンが7台出場し、総合24位(クラス9位)を筆頭に5台が完走した。

●全長×全幅×全高:4120×1990×1170mm


●ホイールベース:2400mm


●車両重量:1050kg


●エンジン種類:90度V6 DOHCツインターボ


●総排気量:2975cc


●最高出力:400ps/6000rpm


●最大トルク:49.0kgm/3500rpm


●燃料:無鉛プレミアム


●トランスミッション:5速MT


●駆動方式:縦置きミッドシップRWD


●タイヤサイズ:前245/40ZR18、後285/35ZR18

[スーパーカークロニクル – Webモーターマガジン]