四国“右下”の山越え改善! 阿南安芸道の「北川道路・和田トンネル」2023年度開通へ

徳島県阿南市と高知県安芸市を結ぶ阿南安芸道のうち、「北川道路2-2工区」の和田トンネル区間が2023年度に開通する予定です。

2230mの和田トンネルを含む区間が開通へ

 徳島県と高知県を結ぶ阿南安芸道の整備が進んでおり、2023年度には「北川道路2-2工区」の和田トンネル区間3.4kmが開通する見込みです。どのようなルートなのでしょうか。

 阿南安芸道は徳島県阿南市と高知県安芸市を結ぶ延長約110kmの地域高規格道路です。国土交通省や高知県が整備を進めています。

 阿南市側で徳島南部道、安芸市側で高知東部道(南国安芸道路)と接続し、四国南東部(右下)の高規格道網を形成します。

 このうち北川道路は高知県北川村の区間(国道493号バイパス)を指し、東側の安倉~和田間の1工区(9.0km)は2021年度に事業化したうえで小島トンネルなどの一部区間が開通しています。

 一方、西側の和田~柏木間も2-2工区(4.0km)として事業が進んでおり、このうち和田トンネル(2230m)を含む長さ3.4kmの区間が、工事が順調に進めば2023年度に開通する見込みです。

 並行する現道の国道493号は、高知県東部の産業・経済・観光や中山間地域の住民の生活を支える重要な道路ですが、道幅が狭かったり急カーブが連続していたりと走りにくい区間が存在。

 さらに土砂崩れや落石などで度々寸断し孤立集落が発生しているなど課題があります。北川道路はこれらの解消を担うとともに、南海トラフ地震への備えの一環にもされています。

 北川道路2-2工区は、標準幅員8.0m(トンネル部7.5m)、車道2車線、設計速度60km/hで整備されます。

 高知県によると、同県の東洋町~奈半利町間の所要時間は、現在、室戸岬経由の国道55号で62分(53.2km)、距離は短いものの山道となる国道493号で78分(42.3km)ですが、将来、北川道路を含む阿南安芸道が開通した場合、約半分の27分(26.1km)に短縮されると試算されています。