「え、駐車券が取れない…」 絶妙な「発券機の高さ」どう決まる? 時代で変化する基準…実は専用グッズもあった!

商業施設などの駐車場を利用する際に発券機の駐車券が取りづらいことがあります。この発券口の高さはどのようにして決まっているのでしょうか。

駐車券が取りづらい…発券口の高さはどのように決まっている?

 有料の駐車場を利用する際、入り口にある発券機から駐車券を取ることが多いですが、なかなか上手く取れずに苦労したことがある人もなかにはいるかもしれません。
 
 では、発券口の高さは何を基準に決められているのでしょうか。

 有料の駐車場を利用する際は、入り口に設置されている発券機から駐車券を取る機会が多いですが、停め方や車種によっては、なかなか取りづらいこともあります。

 とくに、小柄な人や久しぶりに運転をしてクルマの寄せ方に失敗してしまったドライバーなどは、シートベルトを外して身を乗り出してみたり、クルマからいったん降りたりすることもあるようです。

 また、車種によっては座面が低すぎたり高すぎたりして発券口に手が届きづらいこともあります。

 色々な車種があるため、ちょうどよい高さにするのは難しそうですが、発券口の高さはどのようにして決められているのでしょうか。

 国内で発券機や精算機の開発・製造を主に行っているメーカーの担当者は、以下のように話します。

「発券口はメーカーによって異なりますが、地上からおおよそ1mの高さのものがほとんどです。

 発券機自体の高さが1.3mから1.5mほどのものが多いため、発券口はそのくらいの高さになるのではないかと思います」

 この地上から1mという高さは、運転席に座るドライバーにとって取りやすい位置だと考えられているようです。

 例えば、地面から座面までの高さを公開しているマツダでいうと、車高が低いスポーツカーの「ロードスター」で約37cm、コンパクトカーの「デミオ」では約55cm、視点が比較的高いSUVの「CX-5」では約64cmとされています。

 座面から腕までの高さは人それぞれですが、国土交通省が公表している「人間工学基準 数値数式便覧」によると、18歳から29歳までの平均座高は、男性が約90cm、女子が約84cmとされています。

 そのため、座面から腕までの高さを仮に50cmとすると、それぞれ87cm、105cm、114cmになります。

 このように考えると、一般的に地上からおおよそ1mという発券口の高さは、妥当だといえるかもしれません。

 発券口の高さは、クルマのモデル変化に合わせて設計されることもあるようです。

 以前はセダンタイプのクルマが主流だったため、発券口が最新のモデルに比べると低く設計されていましたが、現在は、SUVやミニバンが多いため、発券口などの高さを改めて検討しているといいます。

 メーカーによって、様々な発券機がありますが、どれもドライバーが駐車券を取りやすいように工夫されています。

(広告の後にも続きます)

最近は自分で駐車券は取らない? どうするの?

 ドライバーが駐車券を取りやすいように設計されている発券機ですが、小柄な人や運転テクニックに自信がない人は、どうしても駐車券が取りづらいことがあるかもしれません。

 では、駐車券が取りづらいときに何か対策方法はあるのでしょうか。

 そういった悩みを持つドライバーに向けたアイテムのひとつに、駐車券発券機専用トングなどが販売されています。

 これは、発券機や精算機における「もう少しなのに手が届かない」というニーズに倒して、少し離れた距離でもスムーズに駐車券を取ることができるアイテムです。

 また、そもそも駐車券を取る必要をなくすシステムとして「ナンバー読み取り式」を導入するケースも増えています。

 こうした技術の進化により、そもそも駐車券を取る必要がなくなっており、より快適にドライブできる人も増えていくかもしれません。

※ ※ ※

 発券機の駐車券が取りづらいと感じる人もいますが、発券口の高さは十分に検討されたうえで決まっているようです。また、駐車券を発行せずに済む駐車場も増えてきたため、より快適に駐車場を利用できるようになるかもしれません。